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⚠️いわふかの喫煙表現があります。
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夜の静けさの中、ベランダで煙草を吸う。
ふっと煙を吐き出しながら、ぼんやりと遠くの街明かりを眺めていた。
「……お、いたいた」
振り向くと、ふっかがこちらに歩いてくる。
「俺にも火くれ」
当然のようにタバコを咥え、手ぶらで立つふっかに、俺はわずかに眉をひそめる。
「……ライターくらい持てよ」
「いいじゃん、つけてよ」
仕方なく、自分のタバコをふっかのタバコへと近づけた。
火が移るまでの数秒間、お互いの顔が近づく。
「……っ」
自然と目が合い、僅かに吐息がかかる距離。
ふっと火が移った瞬間、ふっかが満足げにタバコをくわえ直した。
「へーへー、ありがとな」
「……火くらい自分でつけろ」
そう言いながらも、どこか満更でもない。
夜風が二人の間を通り抜け、煙と共にどこかくすぐったい余韻を残していった。