海が呼ぶ
陽光が葉の隙間から照らす
風が花の香りを運ぶ
いつからか、私たちは、
美しいものが無くなってしまった 。
アラームと針と、たったひとつの言葉ばかりが
身に染みた私たちは、
空を綺麗と思わなくなった 。
もし、人が嫌いならば、
網に閉じこもっているならば、
それでいい。
ただ、 ただ、
少しだけ
ほんの少しだけ、
色を覚えてくれたなら。
空が青いと知ってくれたなら。
呼ぶ声に答えれば、海が広がる
葉を掻き分ければ、眩しい陽光が辺りを照らす
少し息を吸えば、風の香りが分かる
色を覚えてくれたら、
空が青いと知ってくれたら、
世界はまだ美しいと、知ってくれたら、
私はそれで、幸せです。