集合場所にはもう独華がいたんね。
「お待たせなんね」
独華は、真っ黒の羽織の中に、青紫のズボンと薄いグレーのカットソー、黒の革靴を履いて、左耳に五百円玉位の大きさのイエローゴールドのピアスを付けてたんね。何時もよりも男っぽくなってるんね。なんか、すんごく、格好良いんね。
そんな事思っているとiоの着てきた正装がちょっと恥ずかしくなってきたんね。
「正装できたけど、やっぱり恥ずかしいんね」
iоがちょっと恥ずかしくなって、そう言うと、独華が、「Niedlich」って呟いたんね。多分、ドイツ語なんね。姉さんは話せてたけど、iоは簡単な挨拶ぐらいしか分かんないんね。
「なんて言ったんね?」
iоが尋ねると、「あー」って呟いてから、独華が話し始めたんね。
「何でもない。それより、恥ずかしいなら俺の正装の羽織、貸してやろうか?というか、貸す からこれ着ろ」
独華がそう言って半ば強引に独華の着てた羽織を肩に掛けられたんね。
「あ、ありがとうなんね」
そんなこんなでiо達は電車に乗って先斗町に向かったんね。電車の中で独華はずっと上の空って感じで、時々独り言を言ってたんね。
電車から降りて、二人で先斗町を歩き回ったんね。
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