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鷹騰社長の新しい車──真っ赤なキャデラックのオープンカーのイメージ画像です。舞ちゃんと一緒に目にした気分で、お楽しみください。
──駅前には、真っ赤なボディのしかもオープンカーが止まっていて、車を囲むようにして大勢の人だかりができていた。
「いつも以上に目立ってるんだけど……」
オープンカーなんて注目の的になるから、ほんと勘弁してほしいんだけどなと思いながら、仕方なく立ち止まっていた足を踏み出す。
近くまで行くと、気づいた彼が「乗れよ?」と、助手席のドアを開けた。
人がきを分けて急いで車に乗り込むと──、
「ねぇねぇ、あの人って鷹騰社長の彼女かな?」
「そうなの? 鷹騰社長の彼女なら、私がなりたーい」
「うん、私も〜それで、あの車の助手席に乗せてもらうの!」
「ああ、それ私もー! 鷹騰社長の隣に乗りたいよねぇ〜」
否が応でも外野の無遠慮なおしゃべりが耳に入ってきて、
「……。……えっと、車、そろそろ出してもらってもいい……」
いたたまれなくなってそう口を開くと、「ああ」と彼がエンジンをかけた。
「車を出すから、そこをどいてもらえるか?」
彼がひと声をかけると、集まっていた人たちがバラバラと一斉に散っていく。
こんな時、この人が有名人であることをつくづく痛感させられる……。
走り出した車の中で、「これって、何て言うクルマなの?」と、シートに背中をもたせかけて尋ねてみた。
「キャデラックだよ。前に買うって言ってただろ?」
『──今度、赤いキャデラックのオープンカーでも、買おうかと思ってな』
以前聞いた彼の言葉が、ふと脳裏をよぎる。
「……言ってたけど、本当に買うなんて……」
「いい出物があったんだよ。ビンテージカーは、見つけた時が買い時だからな」
左ハンドルを掴んで当然のように話す彼を横目に見ると、
(……絶対に乗らないって決めてたはずだったのに……)
彼からキャデラックの話を聞かされた時の、私の密かな誓いが、頭の中にくっきりと浮かんだ……。
コメント
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第71話、楽しく読ませてもらいました! 真っ赤なキャデラックのオープンカーでお迎え、もうシンデレラどころじゃないですよ。物語冒頭の「絶対に乗らないって決めた」という密かな誓いが、このシーンでどう響くのか——あの頃の彼女の気持ちを思うと、感慨深いものがあります。外野の雑音にいたたまれなくなる心情も、リアルで共感しました。 蒼乃さんらしい、甘くてちょっと切ない演出が素敵な一編でした。