いつもの会議の最中、同じものが複数入った大きい袋の中からその一つの、配線の様なものなどがついた物々しいヘルメット型の機器を取り出し、陽気な口調でアルフレッドが言い出した。
「これをみんなに試して欲しいんだー!」
全員困惑の表情になった。正直、アルフレッドがし始めるものなんてどれも信用ならないからだ。
「え、えっと、その物の説明を聞いても……?」
菊が皆追及しない物を指差して言った。
「OK!」
と、菊に従い、説明を始めた。
アルフレッドによると、これを被るとスイッチが自動で入り、自分の求めているものの夢が脳内に投映される、というものらしい。もちろん、アメリカ製だ。
「つまり、夢見心地ヘルメット、と言ったところか」
腕を組みながらルートヴィッヒが言う。
「全員分あるのか?」
アーサーが問う。
「Of course!!」
と答え、入った袋を逆さまにし、その物が鈍い音をひとしきり鳴らしながら机の上に出す。
「これ、拒否権ないあるか……?」
「Yes!!」
「………そうあるか、」
「もちろん悪い気にはさせないさ!!」
全員が手に取り、装着する。何やらいつも以上に騒がしい。
フランシスが、
「ブフッッ」
と急に吹き出し、アーサーがキレ気味に
「何だよ文句あんのか」
と言う。
「似合いすぎててwwwwブフォッwww」
「うるっせぇなクソが…」
あちらではフェシリアーノが
「ねぇねぇ〜見て見て〜!どう?!」
とルートヴィッヒに聞いていた。
「ブッ……………い、いいんじゃないか…?」
「あ〜笑わないでよ〜!」
「す、すまん、……………笑」
「みなさん色々言いながら楽しそうな感じがしますね」
「そうだねぇ〜……
あ、菊くん、どうかな?僕も似合ってる?」
「よ、良いと思います」
「よかった〜 菊くんも似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます……」
そんなこんな、静かになったところで全員の頭の物のスイッチが入った。
「「「「「「「「…………………」」」」」」」」
「では、会議を始めよう。まずはアルフレッドからだ」
「OK!俺は、ここをこうして、こうすればいいと思うんだぞ!」
「次にイヴァンだ」
「僕は〜、こうすれば、平和により近づくことができると思うよ〜」
「次に菊」
「は、はいっ……え、えっと、私はそちらではなく、こうすればこの面で考えて良いと思います…」
「……いいんじゃないか?」
「え、本当ですか…?」
「うん!俺も賛成っ!」
「お兄さんもいいと思うよ!」
「菊の意見だしな!」
「賛成多数で可決、だな」
「…………!!」
「なんてことあるわけないじゃないですか!!!!」
菊はヘルメットを勢いよく外しながら言った。
「流石に夢見心地すぎましたよ………………
…………え」
己の感想をこぼしながらふと周りを見た時に絶望した。
ある者は頬を赤らめ、ある者は普段以上に笑顔で、ある者は変態のような顔で────手が動いている者もいた。
「ひっ…………………」
何を観ているのか考えるのも怖く、思わず引く声が出てしまった菊だった。
コメント
2件
腐腐腐…そのヘルメット…私も欲しいです…なんちゃって…ハハハ
あ、これは、あんなことやこんなことを…菊、絶対下の方は見ないでね、