これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きはプロローグを参照ください
でははじまります
初めて見た海は、ただひたすらに美しかった。
限りなく続く青に、時々光の粒が落ちている。
夜明けということもあるのだろうか。様々な色を持った光に照らされた海は神々しくて、僕の目を惹きつけてやまなかった。
これが彼らの、海賊たちの世界。
ut「何で、こんなに綺麗なんやろ」
ことの発端は、海賊たちが失踪してからだった。
地域の間でまだ中学生くらいの子どもたちが船旅に出て行方知れずになったという噂が広がり、その話がいつしか「行方不明になった子たちの小学校の時の友達が、その旅が危険だとわかっているのに止めずに、むしろ応援していた」みたいな意味のわからない話になった。
狭いコミュニティだから、すぐに僕とrbrがその海賊たちの小学校時代の友達だとバレて、「友を見殺しにした人」というレッテルを貼られて過ごすことになった。
これを機に、もともと僕にいい感情を持っていなかった人たちが行動を始めた。
まあいわゆる、「いじめ」ってやつ。
助けを求めても意味はなかった。
常に恐怖に晒されていた。
rbrにも迷惑をかけた。
だからお前らが帰ってきた時僕は嬉しかったんだ。ずっと一緒にいて欲しかった。何でもいいから、昔のように。
全部立ち回りが下手だった僕のせい。
甲板の手すりから身を乗り出す。このまま沈んでしまえそう。
だけど、また感じてしまった。
生きたい、って。
こんな無能だけど、だめなやつだけど、それでも、みんなと過ごせた時間はすごく楽しかった。
また、こんなに楽しいことがあるのなら。
僕は、生きたい。死ねない。
zm「うわ、大先生甲板におったんか!」
後ろから、聞き馴染みのある声がした。
zm「みんなでこれからのこと話すんやって。あと集まってないのお前だけやで」
ut「あーい、すぐ行く」
zmのあとに続いてみんながいる部屋に向かう。
ふと、zmが足を止めた。
zm「大先生とまともに話したの…、それこそ2年ぶりとかかもしれんな」
ut「確かになぁ、そうかも」
zm「海、綺麗やったやろ?」
ut「うん、とても。まだ、生きたいって、お前らと一緒にいたいって思えたよ」
そう言うと、zmがぱっと顔を輝かせる。
zm「良かった…!、なあ、大先生」
にっこりとzmが笑う。
zm「嫌な思い出は全部、海に捨ててくればええんやで」
いつの日か、shoが屋上で叫んだ言葉。
それが今、激しく僕の心の扉を叩く。
とめどなく涙が溢れてきて、何をしたらいいかもわからない。
ut「うん…、ありがとぅ、ありがとう…」
気づいたら、周りにたくさんの人が立っていた。
zmと、shoと、シッマと、それからrbr。
ふと、rbrの顔を見る。目が合うと、彼は驚いたように顔を動かして、そしてすぐ、笑った。
rbr「良かったやん、また、生きたいって思えて」
これは貼り付けた笑みじゃない。本当の笑顔だ。
これから、僕はどうなるんだろう。
でも、大丈夫だろうな。
こんなにも最高の仲間がいるのなら。
***
佐山からW国に渡った5人の少年たちは、その地で軍の幹部として生きていくことを決めた。
毎日訓練や教育に励む日々。新しい仲間を得て、肉体・精神共に強くなった彼らは、とうとう初陣に臨むことになった。
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か、完結ぅ…。
回収しきれてない伏線もあるけど、とりあえず、完結!
良かったねW国。人手不足が少しはマシになったね。
さて、これからといいますと…。
まあ、戦争ですよね。
彼らの初陣、ぜひともかっこよく書きたいものです。
それでは、さようなら〜