💙side
15時23分に、💙は駅の改札口を出た。
都会にいた時の賑やかな街とは違う、静かな街だった。
昔に一度だけ、ここに来たことがあった。
mtkとryokちゃんと俺の3人で、行ったあの日。
その当時、俺はこう言った。
💙『何もかもが嫌になった時に、来ちゃいそうかも。笑』
その時、2人は…
❤️『なんか、故郷って感じはするけど…』
💛『でも、そんな時は必ず伝えてよ?』
💛『wkiは凄く苦しくても、明るく笑顔で隠すからさ』
❤️『そうそう』
💙『大丈夫だって!そんなことはないからさ!』
💙『……だと良いけどね…』
❤️『ん?何か言った?』
💙『あ、ううん!なーんでも』
❤️『そう?』
💛『…?』
そういえばあの時のryokちゃんの顔、曇ってた気がするような…
まぁでも、俺に興味が無い2人はそんな事、覚えてないよね…w
💙「…っ」
…悲しくなっちゃダメ。
俺の勝手なわがままで決めたんだから。
そう。
自分勝手で、無責任な俺のわがまま。
だから、悲しんでたらダメ。
…ひとまず、ホテルに行こう。
そう考えた💙は、ホテルに行く為にタクシーを待っていると、すぐタクシーが目の前に止まった。
俺はそのタクシーに乗り、ホテルまで乗せていってもらうよう、運転手に伝えた。
運転手「了解しました。○○ホテルまでお送りしますね。」
そう伝えると、運転手はハンドルを持ち、走り始めた。
泣き疲れてしまったのか分からないが、少し眠くなってきた。
10分~15分ぐらい掛かると思い、俺は眠る事にした。
ー15分後
運転手「…ま、…様」
💙「ん……」
運転手「…客様、着きましたよ」
💙「…ハッ、あ、すいません💦寝てしまって…」
運転手「いえ、大丈夫ですよ〜」
運転手「通行料金は3000円になります〜」
💙「あ、はい…」
3000円を運転手に渡す。
運転手「丁度、お預かりしますね〜」
💙「はい…」
運転手「…ありがとうございました!またのご乗車をお待ちしてます〜」
💙「……」
運転手「…あの、お客様…?」
💙「あっ…ごめんなさい……」
運転手「…失礼なことをお聞きしますが、お疲れですか?」
💙「…ぇ?」
運転手「すみません💦…馴れ馴れしく聞いてしまって…」
💙「…いえ、大丈夫ですよ。」
💙「ただちょっと…辛いなって思いまして…」
💙「ッ…ありがとう、ございましたっ…」
運転手には申し訳ないが、涙が出てきてしまったので、挨拶しながらタクシーを降りた。
運転手「ま、またのご利用をお待ちしてます…」
ーホテルの前にて
運転手と話してる時に、何泣いてんだよっ…
そんな感じでむしゃくしゃしていると、秋を思わせるような少し冷たい風が吹いた。
その風が、ほんの少しだけ、頭を冷静にさせてくれた。
だが、心の中にある黒いモヤモヤが消える事はなかった。
逆にアレをやらないと、気が済まなくなってしまった。
早くモヤモヤを無くしたい…
このグチャグチャな思いを消したい…
その一心だけで、ホテルに向かう足取りはとても軽かった。
ーホテルの部屋に入り
💙「はぁっ、はぁっ…」
もう、切りたくて仕方なかった。
持ってきた荷物は投げ、すぐに洗面台へ向かった。
ー洗面台の前にて
すぐ切れるものを探した。
カッターは持ってきてないので、切れるのであればなんでも良かった。
探すと、個包装にされたカミソリがあった。
それを手に取り、包装紙を取った。
中から出てきたのは、カッターよりかは小ぶりなカミソリ。
次は何処を切ろうか。
また左腕にしようか?
そう考えたが、出かける前に切りすぎたので、恐らく切るところがないだろう。
じゃあ、右腕にするか?
となると、左手で切る事になる。
そうなると、右手でやったように上手く切れないだろう。
だが、痛みがとにかく欲しかった俺は気にせず、カミソリを右腕に当てた。
💙「ッ、はぁっ…はは。」
もう泣いているのか、笑っているのか、あるいは怖がっているのか。
答えもまともに考えられないまま、ただひたすらに右腕を切り続けた。
❤️side
俺たちは駅に来た。
❤️(とりあえず、駅に着いたけど…)
何処にいるのか分からないから、メールを送ってはいるけど、反応なし、か…
❤️「何処にいるんだろ…」
💛「…多分、○○だよ。」
何処を探せば良いのか分からない時、急にryokちゃんがある場所を呟いた。
❤️「え、なんで…?」
💛「ほら、あそこ一回遊びに行った時にさwkiがこう言ってたじゃん…」
💛「『何もかもが嫌になった時に、来ちゃいそうかも。』って。」
❤️「…!」
確か、そんなことを言っていた気がする。
当時は聞き流していたが、今に思えばあの時から、wkiはずっと辛かったのかな…
だとしたら、とても申し訳ない事をしてしまった。
もし出会ったら、その事を謝らないと…
いや、その事より前の事も謝らないといけないかもしれない。
…とにかく会わないと。
しかし、wkiの家にいた時とは、ryokちゃんの雰囲気が変わっていた。
さっきは、不安に飲み込まれそうな感じだった。
だが、今のryokちゃんは違う。
何かしら覚悟を決めたかのように、冷静で真剣な感じだ。
あまりの変わりように、俺は動揺してしまって自ら動くことが出来なかった。
💛「だから、急ごう。」
❤️「わ、わかった…」
内心ではどうしたら良いのか分からないまま、ryokちゃんの後をついていった。
💛side
mtkには冷たいトーンで話しちゃったな…
でも、早く探さないと、wkiが…
ううん、まだ確定したわけじゃない。
だから早くしないと。
wkiが助かれば、僕はどうだって良い。
最後に僕のわがまま、聞いて欲しいな。
2人には、笑顔のままでいて欲しいからさ。
💙side
**
**
右腕を切り続けた後、何もしたくなくなってしまい、手当てもしないまま、ぼーっとしていた。
ふと、今が何分なのか気になった。
腕時計で時間を確認すると、30分もぼーっとしていた。
瞬きをするのすら、大変なぐらいに体は疲れていた。
💙「…ッグスッ、もッう……いやだぁ、」
なんか、もういやになっちゃった。笑
俺は立ち上がり、ホテルを出た。
あそこへ行く為に。
ーとある場所にて
ある場所に来た。
前に3人で来た場所。
2人とも、覚えているかな?
…少し待ってみようかな。
ぼーっと、景色を見渡した。
太陽は沈み、夜の訪れを知らせるような、寂しさを感じさせる空になっていた。
夜に輝いてる星は、太陽が出てくると殆ど居なくなる。
まるで、太陽を避けているかのように。
星と太陽が一緒に見える事は、ほとんどない。
もし、一緒にいる事が分かったのならば、とても嬉しいだろう。
💙「ここに3人が集まる事は無い。」
💙「…でも、あったら嬉しいんだろうなぁ、」
ここまで来てくれるか、不安だ。
もし、星が出てくるまで来なかったら、この空に隠れている星の一部になろう。
そう考えながら、2人が来るかどうかを立ちながら、待った。
コメント
2件
小さい文字ってどうやって入れるんですか?