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58 - 「スタンプ」💙❤️

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2025年05月26日

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「ん……?」


ソファでドラマを観ていた最中。

テーブルの上で震えたスマホを手に取ると、そこにはメッセージもなしに送りつけられたスタンプがあった。


「もふもふ犬がタコ踊りしてるやつ」


一体どんな意図があってこのスタンプを選んだのか、謎すぎて逆に興味がわく。


(これで何を伝えたいんだよ……)


少し考えて、既読をつける前に、ふとカレンダーアプリを開いた。

最後に涼太と会ったのは……五日前。

しかもあの日も取材終わりに少しだけすれ違っただけで、ゆっくり話したわけじゃない。


「……そゆことか」


笑いながら既読をつけ、すぐに返信を打つ。


『俺に会いたい?』


既読からすぐに、また別のスタンプが届く。今度は顔が赤くなって涙目の猫がうずくまってるやつだった。

思わず吹き出す。


「めっちゃわかりやすいな……」


普段は大人の余裕満載なくせに、寂しいときだけスタンプで必死にアピールしてくる。

そういうところが、可愛くてしょうがない。


『明日、ちょっとだけ空いてるから。俺んち来る?』


送ってから数秒で、スマホが震える。


『行く』


今度はちゃんと文字。

すぐに、またタコ犬が飛んできた。


「気に入ってるんだな、その犬……」


ぼそっと呟いて、スマホを置いた。

会えるとわかったからか、もうスタンプは来ない。

たぶん今ごろ、ソファでにやけてるんだろうな。

いつも甘えてこない涼太が、スタンプで必死に「寂しい」って伝えてくるのが――好きなんだよな。

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