コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
スマホが鳴る音に、心臓が跳ねる。
画面には亮平くんの名前。
一度、深呼吸してから通話ボタンを押した。
「もしもし」
『……ごめん、忙しくて』
亮平くんの声は、いつもと同じ優しい響きだった。でも、その優しさが今は少しだけ苦しく感じる。
「ううん、忙しいのはわかってる。でもね、最近私……寂しい」
一瞬、沈黙が流れた。
『……そっか』
短い返事。
でも、電話の向こうで亮平くんが何かを考えているのがわかった。
「亮平くんは、どう思ってるの?」
そう問いかけると、彼は少し間を置いてから答えた。
『俺も、本当は会いたい。でも、仕事が終わると疲れちゃって……甘えてたのかも』
「甘え……?」
『うん。〇〇は、いつも待っててくれるから。だから、つい……甘えてた』
その言葉に、胸が締めつけられた。
『待ってるのもう疲れちゃった。私は、ちゃんと向き合いたい』
そう伝えると、電話の向こうで小さなため息が聞こえた。
『……ごめん、〇〇。ちゃんと会おう。今週、なんとか時間作る』
その言葉に、ようやく肩の力が抜けた。
『うん。待ってる』
久しぶりに、心が温かくなるのを感じた。