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《海街心蔵の視点》
海街のメンタルはすでに限界だった。
こんな苦しい思いをするなら下痢腹を抱えて
公衆トイレを探してる方がずっと幸せだと
海街は思った。
海街は耳がよかった。
なので クラスで一番賢い転々の鉛筆の動かす音から どうにか解答が得られないか耳を澄ませた。
……が、ダメ。そんな能力があれば海街は以前の小テストで赤点を取ってなどいなかった。
海街は今すぐ目をつぶり、自分の能力
《深海シティーアンダーグラウンド》で
ここから逃げたかった。
しかし今能力を 使えばロカ先生の『エンプレス•ディスコ』 で能力を破壊されてしまう。
それだけは 避けたかった。
わからないことについて 思い悩むのは海街にとってストレスであり とてつもない 苦痛だった。
海街がどろりの《ボランティア活動》の内容を把握した上で協力しているのも海街が
自分以外の 存在をどうでもいいものと考えており、良心の呵責やばれた時のリスクについて何も考えていないからであった。
彼は考えないことで心の平穏を保ってきた。
考えることは彼にとってとてつもない苦痛なのだった。
それでも海街はギリッギリで赤点を回避し
彼の《深海シティーアンダーグラウンド》
を守り抜くことができた。
(海街深蔵、250点中154点、なんとか赤点回避。)
《妖怪沢どろりの視点》
妖怪沢どろりは万全の状態で小テストに挑んだ。
彼は常日頃から勉強していたし、今回は
学年二位の秀才、独絵三十九秒のノートも
全教科写して死角はなかった。
しかし《擬態型》であるどろりの勝利条件は
ロカ先生に目をつけられないこと。
そのため どろりは同じ《擬態型》の千代子令子と同様 できるだけ怪しまれず赤点もとらないギリギリの点数を模索した。
(そう言えば今、痛見とテストで勝負してるんだっけ?あいつ……勉強できるのか?
………あんなやつのこと考えるのはよくない、時間の無駄だ。)
こうして妖怪沢は可もなく不可もない極めて
平均点な点数をとり、赤点を回避した。
(妖怪沢どろり、250点満点中180点。)
【一年生の小テスト結果発表】
一位独絵転々(250⁄250)
二位独絵三十九秒(248⁄250)
三位恋原表裏一体(246⁄250)
赤点(ロカ先生に能力を破壊されるもの)
白雪毒林檎、半田緋色、口裏痛見、
秘密裏警羅(カンニングがロカ先生にばれたため失格)、黒小場じゃんね
(最後まで読んでくださりありがとうございます。次回も読んで貰えると嬉しいです。)