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《シリアスブレイカーの視点》


シリアスブレイカーには明確な弱点があった。それはシリアスブレイカーは三分間以上のシリアス展開に耐えられないことである。


彼はシリアス展開に晒されると

《シリアスシリアス!!シリアスシリアス!!》

と彼のシリアスセンサーが反応し、背中に

蕁麻疹が出た。


そんな彼が、小テストのシリアスな雰囲気に耐えられるはずもなかった。


(…..くっ、ここまでか…….!!!)


小テストからすでに2分30秒が経ち、

彼が一発ギャグをかまそうとした。


その時だった。


このクラスの監視役をしていた影踏架空恋慕かげふみかくうれんぼ先生が突然変顔をした。舌を上に突きだし出来る限りの寄り目をし鼻を出来るだけ大きくした、本気の変顔であった。それを見たクラスメイトは


(何だ……!?何かの罠か…….!!?)


と困惑しながらもテストに集中した。


シリアスブレイカーは 先生の意図を頭ではなく心で理解した。


(影踏先生……まさか!!!まさか俺をシリアス展開から救うために敢えて変顔を!!!

ありがとう影踏先生!!!シリアスブレイカー

復ッッ活!!!!!!!)


シリアスブレイカーは拳をぐっと握りしめ

《ブリキノダンス》で鋼鉄の身体へと変身した。


この光景をもしロカ先生が見ていたら 彼の能力を《エンプレス•ディスコ》で破壊し、彼と影踏先生を1時間ぐらい説教して いただろう。


(そしてありがとうクリリン…..!!ここも….

ここもここも…..!!クリリンから習ったところだ…..!!これで俺は小テストというシリアス展開を破壊出来る…….!!!うおおおおお!!!!

シリッアスッ…..ブレイィィィカァァァァ!!!!!)


彼は心の中でそう叫んだ。流石の彼もテスト中に叫んではいけないという最低限の常識は

あった。


数日前から、 シリアスブレイカーはクリリンこと栗毛色あるはに放課後勉強を教えて貰っていた。


あるはの教え方はとても分かりやすかった。


人の悩みを聞き、自殺衝動を吸い続けた

栗毛色あるは、苦しんでいる人や出来ない人に寄り添うことが出来る人間だった。


更にシリアスブレイカーが三分間のシリアス展開に耐えられないことを打ち明けると

あるはは真剣に悩んだ後でシリアスブレイカーにイヤフォンを貸しスマホで《マツケンサンバ》を流しシリアス展開を破壊した。


これによりシリアスブレイカーはシリアス展開に苦しむことなく勉強ができたのである。


こうして影踏先生の変顔と栗毛色あるはの

サポートによりシリアスブレイカーは見事に

赤点を回避したのであった。


(シリアスブレイカー、本名 錻山 踊ぶりきやまだんす173250

赤点回避)


《栗毛色あるはの視点》


自殺衝動を吸い取る能力『わたしのR』を持つ栗毛色あるは憂鬱だった。


今日はきっといつもより相談者が多いのだろうと、正月の時の回転寿司みたいに自殺衝動をかかえた奴らが私の元へと並ぶのだろうと。


(するか…..早退……。)


流石のあるはも自分の限界は見極めていた。

剰りにも相談者が多ければ適当に理由をつけてさっさと逃げる腹積もりだった。


逆に言えばあるははぎりぎりまで相談者達の自殺衝動を《わたしのR》で吸い取るつもりだった。


(シリアスブレイカー様大丈夫かな…..。

ロカ先生に能力取られて死にたくならなきゃいいけど…….。)


今までの人生で録なことのなかったあるは

は常に最悪の想定をした。


シリアスブレイカーが赤点を取り、能力を破壊され、自殺してしまう想定だ。


(シリアスブレイカー様が死んだら、私多分自殺するだろうなー。生きていける気がしないもん。)


自分のことを客観視できる栗毛色あるはは

冷静にそう思った。


それだけあるはにとって シリアスブレイカーは心の支えだったのだ。


(もしシリアスブレイカー様が鬱になったら

私がずっと自殺衝動を吸い続けてあげよう。

それでお互い耐えられなくなったら、二人で

心中しよう。)


カリカリと、あるはは数学の問題を解きながらそんなことを考えていた。


能力に目覚めてからずっと自殺衝動を吸い続けた彼女に とって自殺について考えることは呼吸と 同じだった。


(…..まぁ、もしかしたらシリアスブレイカー様に彼女がいて、その人になぐさめてもらうかもしれないしー?私みたいな陰キャ

シリアスブレイカー様は嫌いかもしれないしー? あ、やば、無理かも。考えなきゃよかった吐きそう。)


ネガティブなことを考えながらあるはは

問題を解いた。


実際問題あるはの悪い想像は全て杞憂で

あるはもシリアスブレイカーも赤点を回避できたし、シリアスブレイカーのようなウルトラバカに彼女はいなかったし、シリアスブレイカーはすでにあるはのことを頼りになる

友達ぐらいには思っていたのだった。


(栗毛色あるは 220/250 赤点回避)


《姉ヶ崎茜色の視点》


(…….おなか空いたなー。)


ぐーきゅるると鳴るおなかを抑えながら

恥ずかしそうに姉ヶ崎は思った。


姉ヶ崎はあまりストレスのない環境で真面目に授業を聞き、真面目に予習復習をし、十分な栄養と睡眠時間をとり、頭と家庭環境が良かったので 全教科100点をとった。


(姉ヶ崎茜色 250/250 赤点回避 学年一位)


【二年生 小テスト結果発表】


学年一位 姉ヶ崎茜色(250250)

学年二位 冴渡六九(248250)

学年三位  賭ヶ崎生命(244250)


赤点(心を折られ能力を破壊される者)


阿久野六法全書 月萩つぐみ(無能力者)

空原騎士










BioTOPE ~超能力たちの日常観察記録~

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