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愛の病(Ai No Yamai)
attention
・ブルーロック本編とは別軸です
・虐め、自殺、嘔吐、差別的な表現があります
・烏が先天性難聴、パニック障害
・病気に関しては諸説あります
・決して虐め等を助長する意図ではございません
大丈夫なら本編どうぞ!
“耳が聞こえなくたって、生きていける”
俺は生まれつき、先天性難聴という、『生まれつき耳が聞こえない、上手く喋られない』といった症状がある病気だった。
耳が聞こえないからという理由だけで、小三ぐらいから虐められた。
『耳聞こえないの?』
『変なの!』
『気持ち悪い』
読唇(どくしん)でなんとなく何を言ってるかはわかった。本当は耳聞こえてるんじゃないかと言われたこともあった。もちろんそんなわけないけど。
この頃は、虐めに関して特になんとも思ってなかったけどな。
小五の頃や。特に辛かったのは。
モb『お前、耳聞こえないクセに何でもできるし、うぜぇんだよ、』
言葉もある程度わかるようになっていた。
『ご、ぇん、なさ、』
モb『やめて、喋るの、』
生まれつき言葉が上手く話せやんだから、喋ることが難しかった。
虐めは酷かった。教科書を破られる、筆箱を壊される、更には、殴られるし蹴られるし。
体の傷は治ることが多いが、”心の傷”はそう簡単には治らない。
俺の小、中学校人生は、そんな嘘だけを吐きちらかす、ほんとクソのような人生だった。
中学の頃、虐めがエスカレートし、遂に俺の心が壊れ、”パニック障害”を起こした。
この頃は手話で話すことが多くなったが、誰にも伝わらなかった。
モb『手話、やめてくれない?』
手話をやめたら、どうしろっていうん。何でコミュニケーションをとればええねん。
周りに迷惑をかけると思い、情緒不安定になり、パニックを起こし、また迷惑をかける、またパニックを起こすのではと不安になる。
生きてんのはまずい、と思い自殺を図った。10回ぐらい。ODして緊急搬送されたり、高いとこから飛び降りて骨折したり、自分を刺して大量出血したり。どれを試しても死ねなかった。ただ、苦しいだけだった。
いつ頃からか、自慰を繰り返した。日に日に手首に苦しみの跡が残った。
誰からも愛されなかった。故に誰も関わろうとしなかった。
『ぉ゛ぇ、ッ、ゲホッ、ゴホッ”、!』
なんとか高校生にもなれた。相変わらず誰にも相手されなかった。
学校でパニックを起こし、トイレへ駆け込んだ。
『はッ、ひゅッ、か”ッ、…(吐』
「だ…じょ、ぶ?」
だれか、の、こえ…きこえる、
そういえば、鍵…閉め忘れたっけ、
目が覚めると俺は保健室のベッドに寝とった。
『(ッ、なんで…ここ、…?)』
「あっ、目覚めた?」
そこには、白髪で背が高く、綺麗な黒い瞳をしたイケメン…がおった。
『(確か…同じクラスの…)』
「俺、凪誠士郎」
そうや、文武両道、色んなやつから人気やし、めっちゃモテるらしい、あの凪誠士郎。一生話すことないと思ってる奴やった。
『…、(紙に書き』
『”俺、烏旅人”』
「からす…あっ、あの…ちょっとまって、(紙に書き」
『(頷』
「”たしか、耳、聞こえないんだっけ、”」
唐突にそこを突かれ動揺する。恐る恐る頷いた。
またやられる。また見放される。そんなことが頭をよぎる。
「”友達とか、親友とかいる?”」
『”おらん”』
「あっ、そっか、…」
…胸が苦しい。また1人、嫌う奴ができた。地獄のような時間だった。この時まで。
「じゃあさ、俺がなってもいい?」
『…え、?』
「”友達1号、凪誠士郎”」
『”俺…耳聞こえんのに、?”』
「”うん、こっちこそ、俺でいいなら”」
「”手話だって覚えたいしさ”」
気がつけば、目から塩水が溢れていた。
『ッ、…(ポロポロ、』
「えっ、ちょ…烏…、?!」
『ッ゛う゛、ぁ…”ッ…!(ポロポロ』
「ちょ、どした…?(撫」
『ぅえッぐ、ひぐっ、…(ポロッ…』
上手く、伝えられない
今の、気持ちを
手が震えて
だめだ、
何も…
「大丈夫、…泣かないで…(ギュッ」
ッあれ、…温かい…、?
『な…ぃ”、ッ…(ポロ…』
「大丈夫…?」
『ッ、ん”…(拭』
いつもなら、この後はパニック起こして終わりなのに。
『”初めて、受け入れてもらえた、いつもパニック起こしてまうし、…耳聞こえんからって気持ち悪がられるから、”』
「”そっか…辛かったね…、”」
「”これからは、何でも俺に言って?絶対守ってあげるから”」
『…ッ、(ギュッ、』
「もう、1人じゃないから…(ポロッ、…」
ℯ𝓃𝒹
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