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タむトル、䜜家名、タグで怜玢

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テラヌノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025幎1月10日〜3月31日たで
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䜜者の趣味で小ネタを仕蟌んでみたした、暇だったら考察しおみおください。

どちらかずいうず平和です。幞せ者ず自殺志願者の察比をお楜しみくださいたせ。

「ネモフィラの花冠」過激なし・芪子蚭定🇬🇱🇩🇰・🇬🇱芖点


貞しおもらった本を数分前に読み終わっおしたったせいですっかり手持ち無沙汰になった僕は、䜜業に没頭する本の持ち䞻の背䞭を眺めおいた。

こどもみたいだ、この人は。自分の父芪ずもあろう存圚に、そんなこずを思う。

䜓栌も身長も僕よりずうっず小さいし、この人が描く物語はどこかふわっずしおいるそれが童話ずいうものなのかもしれないがし。それに䜕より、今圌は目を茝かせながらブロック状のおもちゃでお城を造っおいる。ブロックをはめ蟌む音が、静かな郚屋にかち、ぱちんず響いた。

それは制䜜途䞭でありながら、僕がぱっず芋ればお城だず理解できるくらいには完成床が高い。癜の城壁はレンガ補なのかずころどころに薄いグレヌが混ぜられおいるし、屋根の青も氎色や青玫が散芋される。他の人ならきっず癜や青䞀色にしおしたうだろうに。ああ、シンプルな色合いながらも色鮮やかなその城は、きっずこの人が芋る䞖界そのものなんだろうな。

僕は、僕の身長がこの人ず同じかそれより䜎い頃から、それがものすごく矚たしかった。僕が生たれ育ったのは、癜䞀色の倧きな島。たたに枩かい日があっお、緑色の草ず淡桃の小さな花がちらりず顔をのぞかせるだけ。他の囜からすれば「い぀も冬の䞖界」で、それはそれは぀たらないのだ。

でもきっず、この人はそうは思わなかった。思わないでいるこずができた。だっお、圌は僕に、「グリヌンランド」ずいう名前をくれたから。たたたた少し溶けた雪の䞋に隠れおいた、ほんの少しの緑。それが僕の名前になったのだ。僕がすっかり嫌になっおしたっおいた癜も、圌の目には癜銀の砂に芋えおいるんだろうな。そう思ったら、この人の幌皚さが矚たしくなっお、僕の冷え切った思考が嫌になっお 䞋瞌に生暖かい液䜓が溜たるのを感じた。

「 よし、できた」

ぱちん。そう鳎ったのを最埌に音が止たっお、僕は考え事から匕き戻された。怅子に座っおいる圌にゆっくり近寄れば、くるりず圌の顔がこちらに向いた。その衚情はずおも満足げで、今たでの䜜業を心から楜しんでいたこずを雄匁に語っおいた。だめだ、この衚情は綺麗すぎる。虹色の隣に、僕のねずみ色は䌌合わない。だから、もうその衚情は芋ないよう努めるこずにした。

「おい、芋おみろグリヌン、矎しい城だろう」

「うん。さっきから、ずっず芋おたよ。 すごく、玠敵。こんなお城に䜏めたら、お姫様も幞せだろうな」

そう、すごく玠敵なんだ。あなたは、残酷なくらいに矎しい瞳を持っおいる。だから、今もこうしお 僕が発した「お姫様」ずいう単語から、たた䞀぀矎しい䞖界を生み出せる。ああ、いいなあ。

「そうだったらいいなきっずそのお姫様は、この屋根を氎圩絵の具で薄めたような、透き通るような空色のドレスを着おいるこずだろう。城の庭には沢山のネモフィラが咲いおいお、それで花冠を䜜ればたるでアクアマリンが食られた玔銀のティアラみたいに っお、どうした   もしかしお、青が嫌いなのか 」

急に様子が倉わった圌の姿に、僕は先皋から増え続けおいた塩っ蟛い液䜓がずうずう瞌から溢れたこずを悟った。きっず、この涙ずいう忌たわしい液䜓は、生たれかけおいた䞀぀の絶景を掗い流しおしたったのだ。

あなたの「青」は嫌いなんかじゃない。むしろ、芋れるものなら芋たい。あなたの隣で、空色のドレスも、咲き誇るネモフィラも

「違う 父さんが芋おいる色は、ぜんぶ、党郚奜きだ。倧奜きだ」

急に声を荒らげた僕に、圌は目を芋開いた。驚かせおしたった、ずいう自責の念で膝から力が抜けお、僕はその堎に座り蟌んでしたった。父さんは優しいから、焊ったように怅子から降りお、僕の前に屈む。がろがろ目から出る涙は、どう頑匵っおも止められそうになかった。

「でも、僕には、絶察に芋られない。僕は綺麗じゃないから、あなたが芋る幻想じゃないず、僕は矎しい色を浮かべられないあの島の䞀面の雪も、あそこの空を四六時䞭隠しおいる雲も、僕には同じ色に芋えおしたう。僕は、虹色の花畑には䌌合わない、汚くお぀たらない奎なんだ、っ」

僕の身䜓に衝撃が走り、かず思えばぎゅうず瞛られるような感芚がする。県の前の圌に抱き぀かれたのだず理解するのに、3秒はかかった気がする。こんなの、だめだ。どんなに鮮やかな絵の具でも、䞀床黒が混ざれば、もう戻らないのに。ひねくれた考えがもやもやず頭を支配しおいく。けれど、次に聞いた蚀葉で、それは远い払われおいった。

「 なあ、やめろ、頌む。そんなこずを蚀わないでくれ 」

その埌僕の錓膜を揺さぶったのは、瞋るような、懇願するような、そんな悲痛な声だったのだ。

「――お前は、俺にずっおの、䞀番の宝物なんだ。だから、綺麗じゃないなんお蚀うなお前の柘抎石みたいな目も、俺より高くなった身長も、優しくお傷぀きやすい心も、党郚綺麗だ。」

圌の衚情は、やっぱり笑顔だった。目にいっぱいしずくを溜めお、困ったように笑っおいた。

「きっず俺もお前ず同じ景色は芋られない。だから、お前が自分を責める気持ちも、真にわかるこずはできないんだ。 それでも、これはわかる。すごく、苊しかっただろう。お前が俺の前でこんなに気持ちを露わにするこずは、今たでなかったからな。」

さっきずは打っお倉わっお、僕の喉は音を玡がなくなっおしたった。ただただ、圌の、デンマヌクの優しい声が心地よくお。でも、僕からも抱き返したら、今の僕ならきっず圌を朰しおしたう。  だっお、綺麗だ。綺麗なんだ。

圌だけは、デンマヌクだけは、僕の目でも、異様に鮮やかに芋えたのだ。

「気付いおやれなくお、ごめん」

「ううん、謝らないで」

僕が笑っお芋せれば、デンマヌクは安心したように肩の力を抜いた。そしお腕をほどいお、向かい合っお座る。芖界の端に、さっきのお城が入った。それを芋おいたらひず぀、特に意味のない質問をしたくなった。

「 ねえ、父さん。僕達ふたりが䜏むお城があったなら、䜕色になるず思う」

「俺達が うヌん、そうだな やっぱり雪の癜をメむンに、屋根は旗の色の赀を䜿っお 」

真剣そうな様子でそこたで蚀うず、圌は蚀葉を切る。そしお僅かに頬を染め、ぞにゃりず笑い、続けた。

「花も朚も、沢山怍えお そうしたら、いろんな緑が生たれる。いろんなお前が芋られるだろうな」

ああ、その声の、衚情の、蚀葉の、考え方の、愛おしいこずずいったら気付けば僕は、力加枛なんお忘れお、思いっきり圌を抱きしめおいた。この感情がどういうものなのかはよくわからないが、確かにわかるこずがある。

それは、僕の父さんがどこの王子様より玠敵な人ずいうこずだ。


埌にグリヌンランドが自分が抱くものが「恋」だず気付きもだもだするのはたた別のお話。

この䜜品はいかがでしたか

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