玉狛支部
渚桜)ども〜、暇人渚桜ちゃんだよ〜
ひょこっと顔を出すと栞ちゃんが「えぇ!?渚桜ちゃん!?」と、飛び出てきた
渚桜)久しぶり!栞ちゃん!
栞)何時帰ってきたの!?
渚桜)んー?ちょっと前に!
栞)どうしようお菓子なんにもないや…
渚桜)いいよいいよ笑中、入っていい?
栞)いいよいいよ!入って入って!レイジさーん!珍しいお客さんだよ!お茶用意して〜!
レイジ)??おう、わかったー
栞)ほらこっちこっち!
引っ張られるまま中に入るとソファには件(くだん)のヒュースくんが居た
渚桜)あ、君がヒュースくんね?初めて会った以来かな
ヒュース)??あ〜、思い出したあの時以来だな
ヒュースくんと対面になるように座る
渚桜)良かった、まだここにいてくれて良かった笑探す手間が省けるよ
微笑んだらキッチンにいたレイジが「渚桜さん!?」と、大きな声を出した
渚桜)あら?やっと気づいたの?鈍感ね〜笑
笑うと顔を真っ赤にした
ヒュース)…
渚桜)ん?どーした?
妖艶な笑みを浮かべるとヒュースくんは一言
ヒュース)首とか腕とか足にある「赤い痣」はなんだ?
…と
渚桜)赤い……痣…?
裾を捲って腕を見るとそこにはキスマークが付いていた
渚桜)…ほぁ!?///
レイジ)き、きす……まーく…
栞)あらぁ
ヒュース)??怪我か?診てやるぞ?
渚桜)あ〜…いやぁ……これはぁ…
目をそらすとレイジは更に顔色を悪くした
栞)ついに一歩進んじゃったー?
渚桜)あ、いや…その、えと……
レイジ)ま、まさか…今日迅が調子良かったのって…
渚桜)ま、そ、そうだね…遊真とか、とりまるちゃんがやけにウキウキしてたのは…ね?わ、分かるでしょ?
レイジ)……(. . `)
渚桜)お、お見苦しいのを見せたわね笑
するする〜と裾を戻す
渚桜)んー…あれだね、君角あるって聞いたんだけど…どっちも好きかなぁ笑
微笑むとヒュースは顔を真っ赤にした
渚桜)さ、顔拝んだし満足だ!
ソファから立つと手をグイッと引っ張られ、机に手を着いて顔を近づけられた
渚桜)な、なに?
ヒュース)…お前の顔みてたらなんか心臓が痛い、何だこれは
渚桜)…へ?
ヒュース)…こっち来い
渚桜)へ?ちょ、こけ、こけるー!
グイッと乱暴に腕を引っ張られ膝に座らされた
渚桜)え?え?
ヒュース)…よく見れば身体中に痣があるな…
渚桜)え?
ヒュースは私の首にそっと顔を近づけガブッと思いっきり噛んできた
渚桜)はぇ!?
ヒュース)…お前の血、美味い
渚桜)ちょ、吸血鬼みたいなこと言わないで!?
ヒュースはスルッと服を脱がせてくる
渚桜)ちょ、こらこらこら!栞…栞ちゃんが居ない!(いつ逃げたあのやろう!)
渚桜)れ、レイジ!レイジー!
あの子ならすぐ呼べば来てくれると思っていたのだが…何故か来ない!何故だ!
渚桜)ちょッこら!おいたはそこまでだよ!
ヒュース)知らん、心臓がズキズキしてうざい
渚桜)ちょっ、ほんとにマジでやめろッ!
さすがに殴るなんて乱暴なことは出来ないため手を抑える事しか出来ない
渚桜)ちょ、こらッ!(せ、せめて…せめてとりまる…とりまるがきたら…)
ヒュースがまるで発情期の犬のようにガブッガブッと、必要以上に腕や首に噛み付いていた時ガチャッ…と、扉が開いて「ただいま戻りしたー」と、とりまるの声が聞こえた
渚桜)と、鳥丸ッ!助けて!
烏丸)!!
とりまるの名前を呼ぶと直ぐにとりまるがこちらに来た
烏丸)渚桜さ…ん……?
渚桜)た、助けてぇ〜ヒュース君がなんか急に……
ヒュース)なんだとりまる、悪いか?
鳥丸)悪いに決まってるだろ、俺の恋人だ
渚桜)んわぁ!
とりまるに引っ張られ胸の中に飛び込む
烏丸)あーあー、こんなに傷つけられちゃって
ペロッ……と、ヒュースがつけた歯型を舐める
渚桜)ひぅッ///
烏丸)後で消毒しましょうね
渚桜)う、うん…ごめんね?
烏丸)いえいえ、渚桜さんが無事ならいいです
私ととりまるがイチャイチャしていたらヒュースが私の腕を引っ張って自分の胸の中に私を収めた
渚桜)あ、あのぉ…?
ヒュース)お前がいないと安心できんそばにいろ
渚桜)あーっと……
烏丸)そういう事か……渚桜さん好かれすぎじゃないっすか?
渚桜)そ、そういうつもりじゃないんだけどなぁ……笑
ヒュース)??
私達が何か喋っているとさらにギューッと抱き締めてきた
烏丸)お前が今こうなってるのは渚桜さんが原因だ
ヒュース)こいつの?
渚桜)語弊があるからやめて私が薬盛ったみたいじゃん
ヒュース)??
烏丸)お前は今渚桜さんに好意を持ってるんだ
ヒュース)好意?俺が?
烏丸)現に今俺が渚桜さんと喋ってたら奪い取っただろ
渚桜)語弊!
烏丸)す、すみません…
ヒュース)…なんか、嫌だった
渚桜)それはね嫉妬っていうの
ヒュース)しっと……?
渚桜)そう、好きな人が他の人に愛想振りまいてるのが嫌で嫌で仕方ないってこと
ヒュース)すき…?
渚桜)そう、好きって言うのはね……んーなんて言ったらいいかな
烏丸)心臓がズキズキしたり目を合わせたり話をしてるだけで顔が赤くなったり無性に大切にしたいと思うことだ
ヒュース)……
烏丸)あとは独占欲が強くなったりするな
ヒュース)…俺はこいつが好きなのか?
渚桜)言い分が酷いわね……間抜けな生活したら開放されるかしら
烏丸)何言ってるんですか?その時は俺が渚桜さんの部屋に行って同棲しましょうね(?)
渚桜)落ち着け色々
ヒュース)…お前の部屋でこいつとお前が二人っきり?それは嫌だ、モヤモヤする
渚桜)…わかったわかった笑
ぎゅーっと力強いけども優しい優しいハグですね
ヒュース)もしこの気持ちがお前たちの言う好意と言うのならば…俺はお前に好きと伝えるべきなのだろうか
渚桜)それはわかんないなぁ笑
優しくふたりの頭を撫でてから一言
渚桜)その気持ちを伝えて自分に利益があるかどうかよく考えな、あんたは帰りたいってのを迅のヤツから聞いてるから私と付き合ったら帰れなくなるよ
とだけ伝えた
渚桜)とりまる、色々ありがとね
烏丸)い、いえ!お怪我は…
渚桜)いーよ、可愛い人懐っこいわんこに噛まれたって思っておくから
烏丸)ですが……
渚桜)いーの、そうだあの子になにかアドバイスしてあげて私は何をどう伝えたらいいのかわかんないからさ
烏丸)…わかりました
渚桜)いい子だから、ね?
烏丸)はい
玄関先で軽く話してからそっと唇を重ねて私は玉狛を後にした
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