テラーノベル
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その健気な自立心が愛おしくてたまらない。
「……もう、十分すぎるくらい俺のことを支えてくれてるよ?」
「えぇっ、ほんと……?」
「うん、純一がこうして毎日そばに居て、俺のために笑ってくれる。それだけで、どんな疲れだって一瞬で吹き飛ぶんだからさ」
「えぇ、なにそれ〜!りひとさん、言うことがかっこよすぎる!うれしい!!」
「ふふ……でもね、最近本当に病院の仕事が佳境に入っていて、しばらくお外でデートする暇も、なかなか作ってあげられないと思うんだ」
「え……そ、そっか。でも、お仕事だし、仕方ないよね……!りひとさんなんて、ぼくより何倍も難しいお仕事してて大変だろうし……」
「……純一」
「ぼ、ぼくもお仕事に集中すれば、寂しくならないと思うし……!だから大丈夫だよ!」
健気に、無理をして作った満面の笑顔。
これ以上、彼にそんな悲しい「大人のフリ」をさせたくはなかった。
「無理に笑わなくていいんだよ。お外でデートできない代わりに……お家で、純一の望むこと、何でもさせて? 俺にできることなら、何でも叶えてあげるから」
彼の瞳を真っ直ぐに捉えてそう語りかけると
純一は一瞬驚いたように瞬きをした後
俺の耳元へと顔を寄せ、恥ずかしそうにそっと、消え入りそうな声で囁いた。
「えっとね……じゃあ、いっぱい、いっぱいちゅーしたいなぁって思ってるの…ダメ、かな?」
「もちろん、いいよ。断るわけないでしょ?満足するまで、いっぱいしよっか」
俺が言葉を最後まで紡ぎ終えるよりも早く
純一は待てないとばかりに俺の首に細いアームを回し、自ら唇を激しくぶつけてきた。
そして小さな舌を滑り込ませ、驚くほど積極的に俺の舌へと絡ませてくる。
俺たちは、夜が更けるのも忘れて
暫くの間、互いの存在を確かめ合うようにお互いを激しく求め合い続けたのかった。
◆◇◆◇
その後
ようやく一頻りの抱擁を終えた俺たちは
寝室へと移動し、2人仲良くシーツに包まって横になった。
静まり返った部屋の中
純一は俺の広い胸板に頭をちょこんと預けながら、眠気の混じった声でぽつりと呟いた。
「ねぇ……りひとさん」
「ん? なぁに?」
「だいすき」
「!……もう、本当に可愛すぎ。俺の方が、何百倍も大好きだよ」
純一の細い背中に手を回し、愛おしさをすべて込めて力いっぱい抱き締めれば
彼は嬉しそうに俺の胸にさらにぎゅっと抱きついてきた。
そして、世界中で一番幸せそうに顔を綻ばせて
ぷるんとした唇から、甘い笑みを零しながら眠りについた。
◆◇◆◇
それからちょうど1ヶ月の月日が流れた
6月12日───。
時計の針が朝の6時を指した頃。
台所に立つと
まずは昆布と鰹節から丁寧に取った。
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