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「あー!!もう何でもいい!!」
がむしゃらになり、図鑑を手に取った。
瞬間、私の目に映っていた黒い渦が
跡形もなく消え去った。
「ぇ..?」
そんな声を漏らしながら図鑑をペラペラと
めくる。
そこには化け物の絵と
” 賜物 “ についてのことが書いてあった。
ミヤビ→赤色の雫《赤い液体が入ったビン》
リリー→緑色の雫《緑色のスライム》
ライ→黄色の雫《双子の鈴》
ハルカ→青色の雫《青と水色のブレスレット》
シュア→紫色の雫《飲みかけのぶどうジュース》
miカちゃん→黒色の雫《汚れたぬいぐるみ》
ユッキー→白色の雫《壊れたスノードーム》
「青と水色のブレスレットってこれだよね..」
そう呟きながら自身の腕についている
青と水色のブレスレットを見る。
さっきmiカちゃんのぬいぐるみも得たから…
残りは5つ。
でももうあの世界には行けないんじゃ..
そう思いながら玄関の扉を開ける。
と、そこにはまだあの景色があった。
だが、真っ赤だった。
景色全てが。
その時、チャポンという聞き覚えのある音が
足元で鳴る。
色は…
分からなかった。
景色が真っ赤であるせいか、
何色かすらも分からないようだった。
リン
リン
リン
微かにどこからか鈴のような音が聞こえた。
確か鈴の化け物は『ライ』
私があの時呼んだライ。
その瞬間、私はある幼少期の思い出を
思い出した。
𓂃◌𓈒𓐍
「ライー!!今日もキラキラであーそーぼ!!」
響く少女の可愛らしい声。
呼びかける声の先には沢山の何かの後ろ姿が。
「それとも、みんなで追いかけっこする〜?」
そう少女が言ったと同時に
【いいねー!!】
【やろーやろー!!】
という声が響き渡った。
そうして少女たちは追いかけっこを始めた。
そこに居た化け物の数は五体。
𓂃◌𓈒𓐍
「追いかけっこ…」
ボソリとそう呟くと辺りが夜に包み込まれた。
「ぇ、?え?」
そう戸惑っている最中に
沢山の雷が降り注いでいた。
真っ赤な夜空に。
もしかして..
「ライ?」
「ライ居るの?」
そうどこに居るのかも分からない『ライ』に
向かってひたすらそう呼びかけた。
すると、
と耳の近くで鮮明に鈴の音が聞こえた。
近くにいるのかもしれないと思い、
足を踏み出した。
瞬間、足が何かにぶつかったようだった。
「なに..」
そーっと足を避けると足元には
双子の鈴があった。
優しく持ち上げると、
シャラン
シャラン
と小さな鈴の音も聞こえる。
これがライの賜物、?
だとしたら残っている賜物の数は
4つになったということ。
「もしかして、各化け物に呼びかけながら歩くと現れるのかな..」
化け物の姿で現れるか、
あるいは賜物の姿で現れるか。