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その時、持っていた化け物の図鑑のページが

パラパラとめくれ始めた。

それも勝手に。

戸惑っていると真っ白だった最後のページの

方に陸たちと似ている人の絵が浮き出た。

海夏人は何かの化け物に追われている絵。

肝心の化け物の絵には靄のような何かが

かかっててよく見えない。

次のページには手足・首がバラバラになった菜々の絵。

苦しみ叫んでいる絵だった。

そして次のページには陸の絵が。

だけど陸のページには化け物の絵がなかった。

なのに陸は何かに怯えているような絵だった。

「何..これ….」

やっぱりちゃんとゲームをクリアしてないで

帰ったから?

「早く賜物見つけなきゃ..!!」

そうは言ったものの、肝心の場所がなぁ…


ふと、手に小さな綿のような何かが

上からゆっくりと落ちてきた。

少し冷たい。

まるで雪のような…

そう思いながら前に歩みを進めていると、

ゴンッという鈍い音と共に

私の額に痛みが生じる。

「い”っ…」

「っ~…」

あまりの痛みに思わずしゃがみこんでしまう。

不思議に思いながら前に手を伸ばすと

コツンと何かに当たる。

なんだろこれ..

透明な壁みたいな…


ていうか雪、降ってたっけ?

辺りをキョロキョロと見回していると

近くに家のような建物があった。

よく見るとドーム状の透明な壁があるようだ。

そしてそれに私は囲まれているようだった。

その時、急に辺りが暗くなった。

夜になったというより、

雨雲がかかったような暗さ。

【*\\%+!*%^’*_\+?*♪「&」? ¿】

エコーのかかった不気味な声が

後ろから聞こえた。

振り返ると白くて毛がふさふさと生えている

イエティのような化け物が私を見ていた。

するとその化け物は周りの雪を集めて

雪玉を作り始めた。

もしかして..

「雪合戦したいの..?」

そう呟くように聞くと大きく縦に頷いた。

雪合戦…。

もし勝てたら賜物くれるとか?

なら結局はしなきゃいけないっぽい…


そんなことを考えながら私は雪玉を量産した。

これくらいでいいだろうと思ったくらいで

1つ、そのイエティのような化け物に当ててみた。

すると

【5<^_”;!】

と楽しそうにしながら雪玉を私に向かって

投げてきた。

が、投げてきたのは私の雪玉より

はるかに大きな雪玉。

というか雪の塊。

死んだとしても結局は生き返るから…

そんなことを考えたが、

もうゲームは一応終わっている。

だから生き返るかなんて正直分かっていない。

ほぼ目の前に雪の塊が見えた時、

私はギュッと目を瞑った。

と同時にパキッという微かな音がし、

思わず目を開ける。

目に映った景色はもう1体のイエティのような

化け物がドーム状の壁を壊して

雪の塊を投げたイエティを踏み殺している

景色だった。

明らかにこっちの化け物の方が大きい。

大きすぎて顔がよく見えないほどだ。

「ぇ..?」

戸惑いそんな声を漏らす。

もしかして助けてくれた?

そう思った私は

「ぁ、ありがとう…」

そう言うと

【>(|\+^、☆&」】

と言いながらお辞儀のような動きをした。

七色の雫と遥の絵本 ~ 7つの賜物と4人の幼なじみ ~

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