コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その時、持っていた化け物の図鑑のページが
パラパラとめくれ始めた。
それも勝手に。
戸惑っていると真っ白だった最後のページの
方に陸たちと似ている人の絵が浮き出た。
海夏人は何かの化け物に追われている絵。
肝心の化け物の絵には靄のような何かが
かかっててよく見えない。
次のページには手足・首がバラバラになった菜々の絵。
苦しみ叫んでいる絵だった。
そして次のページには陸の絵が。
だけど陸のページには化け物の絵がなかった。
なのに陸は何かに怯えているような絵だった。
「何..これ….」
やっぱりちゃんとゲームをクリアしてないで
帰ったから?
「早く賜物見つけなきゃ..!!」
そうは言ったものの、肝心の場所がなぁ…
ふと、手に小さな綿のような何かが
上からゆっくりと落ちてきた。
少し冷たい。
まるで雪のような…
そう思いながら前に歩みを進めていると、
ゴンッという鈍い音と共に
私の額に痛みが生じる。
「い”っ…」
「っ~…」
あまりの痛みに思わずしゃがみこんでしまう。
不思議に思いながら前に手を伸ばすと
コツンと何かに当たる。
なんだろこれ..
透明な壁みたいな…
ていうか雪、降ってたっけ?
辺りをキョロキョロと見回していると
近くに家のような建物があった。
よく見るとドーム状の透明な壁があるようだ。
そしてそれに私は囲まれているようだった。
その時、急に辺りが暗くなった。
夜になったというより、
雨雲がかかったような暗さ。
【*\\%+!*%^’*_\+?*♪「&」? ¿】
エコーのかかった不気味な声が
後ろから聞こえた。
振り返ると白くて毛がふさふさと生えている
イエティのような化け物が私を見ていた。
するとその化け物は周りの雪を集めて
雪玉を作り始めた。
もしかして..
「雪合戦したいの..?」
そう呟くように聞くと大きく縦に頷いた。
雪合戦…。
もし勝てたら賜物くれるとか?
なら結局はしなきゃいけないっぽい…
そんなことを考えながら私は雪玉を量産した。
これくらいでいいだろうと思ったくらいで
1つ、そのイエティのような化け物に当ててみた。
すると
【5<^_”;!】
と楽しそうにしながら雪玉を私に向かって
投げてきた。
が、投げてきたのは私の雪玉より
はるかに大きな雪玉。
というか雪の塊。
死んだとしても結局は生き返るから…
そんなことを考えたが、
もうゲームは一応終わっている。
だから生き返るかなんて正直分かっていない。
ほぼ目の前に雪の塊が見えた時、
私はギュッと目を瞑った。
と同時にパキッという微かな音がし、
思わず目を開ける。
目に映った景色はもう1体のイエティのような
化け物がドーム状の壁を壊して
雪の塊を投げたイエティを踏み殺している
景色だった。
明らかにこっちの化け物の方が大きい。
大きすぎて顔がよく見えないほどだ。
「ぇ..?」
戸惑いそんな声を漏らす。
もしかして助けてくれた?
そう思った私は
「ぁ、ありがとう…」
そう言うと
【>(|\+^、☆&」】
と言いながらお辞儀のような動きをした。