陽子の話によると・・・・・
時々しか家にいない父
体が弱い母の代わりに
おばちゃんが小さい兄弟のために
一家の大黒柱にならないといけなかったそうで
日がくれるまで空き瓶をそこらの家から
回収してきて僅かなお金に変えたりして
家族を養ってきたそうです
その頃からおばちゃんの夢は一財産築くことでした
いつもどうすればお金が稼げるかと
毎日思案にあけくれていました
そして運命の日が来ます
ある日おばちゃんは
自宅の裏山のとうもろこし畑の向こうの茂みに
野生の軍鶏(シャモ)の巣があることを発見します
おばちゃんは
このシャモの雛をとうもろこしで
育てれば高く売れると考えたそうです
「おじいちゃん・・・・・
つまりお母さんのお父さんとは一度も会ったこと
ないの・・・・
お母さんが中学の頃に
癌で死んじゃったんだって・・・
だからお母さんは残された体の弱い
自分の母親と幼い自分の兄弟の
ためになんとかお金を
稼ぎたいと思ったらしいの・・・ 」
自動販売機に入っていた紙幣を数えている
キラリに陽子が言いました
「そうなんや・・・・・ 」
キラリは気の無い返事をすると
集金袋にその紙幣を入れ
残りの小銭を全部つり銭ボックスに補給しました
内心はおばちゃんの幼少時代や
どうやってあの商才を身につけたのか
興味津々でした
しかしそれを悟られないように
黙って陽子の話を聞きました
陽子の話によると
おばちゃんは幼い頃からこういった環境の
おかげで常に頭の中はお金儲けのことで
いっぱいだったそうです
不思議とお金がない時ほど考える時間だけは
たっぷりあったそうで
やがておばちゃんはキラリ達と同じ年の頃に
ある儲け方を発見します