染「……葉子!葉子!」
香「華……?」
染「ちょっと待ってて。今、どかすから」
ギギギとした音が聞こえる
染「つかまって、立てる?」
華に手を引かれ瓦礫からでる
香「……なにこれ」
染「行くよ葉子。逃げなきゃ」
香「待って。お母さんが。お母さんたちが……」
染「大丈夫。大丈夫、だから 」
華の手はボロボロになってた
染「逃げれば行けばきっと安全だよ」
香「そうなの?」
染「…うん。だからあの化け物からは見つからないようにしよう」
香「分かった」
それから、二人で道なき道を歩いた
化け物は想像以上に大きかった
大丈夫、なんとかなるって思ってた
けど、急に化け物が現れた
香「い、いや華っ!」
染「落ち着いて葉子」
香「いやだ……誰か…っ助けて!」
化け物のでっかい足が私たちを踏み潰そうとした、その時
『孤月』
目の前で化け物が倒れた
『大丈夫?そこの2人』
白い髪の女の人が手を差し延べた
香「アタシは大丈夫だけど……」
染「私も平気です」
その人は枯月朱南って言うらしい。
ずっと年上かと思っていたけど、私たちと同い年の12歳らしい
染「枯月って……あの枯月財閥の……」
『華ちゃんは物知りなんだね。まぁ昔の話だよ。』
なんだか華は朱南のことを知っているみたいだった
アタシはよく分からなかったけど
『それより2人とも怪我をしているね。葉子ちゃんは足、完全にやってるね』
香「見ただけでそんなの分かるの?」
『まぁね。おいで葉子ちゃん、私が運ぼう』
香「え、いや平気……」
染「お願いします。」
香「華っ!?」
『さぁ、行こうか。病院は後少しだよ』
病院に着いたら、たくさんの人がいた
小さい子とかも1人で泣いてたりしてた
朱南はこう言った
『私は他の人も助けに行くから、あとは2人でできるよね?』
香「うん、」
染「ここにいた方が安全ですよ」
『確かにそうだね。けど、私たちボーダーはこの日のために準備をしてきたんだ 』
染「?どういう意味ですか」
『いずれ分かるよ。……じゃあまた後でここに帰ってくるよ』
香「ホント?」
『うん、安心して』
朱南は同い年なのに、なんだかとても
大人に見えた
『じゃあ、また後でね』
香「頑張ってね」
『あぁ、ありがとう』
けど、朱南は戻ってこなかった
ボーダーの人の中にも朱南はいなかった
だから、ボーダーに入るって華が言った時
もう1つの目標を出した
香「じゃあ1番になって、朱南も探そう」
染「そうだね、それがいいよ」
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