「……ごめん、一花ちゃん」
腰のあたりから肌を滑るように触れていた手が止まり、突然、太一くんは謝罪の言葉を呟く。
この状況を私が理解する前に彼の手で外したブラウスのボタンを彼自身が元通りに戻していく光景をぼーっと眺める。
第一ボタンまできっちりと留められたブラウスに息苦しさを感じながらベッドから起き上がると、すでにベッドから降りていた太一くんが手を差し伸べる。
その手に掴まると強く引き上げられ、そのまますっぽりとその胸板へと収まった。
だけど、すぐに身体は離されて、ある一定の距離がとられる。
「お互い明日も仕事だろ?今日はもう帰るよ」
「あ、うん。そうだね」
自分の乱れた髪の毛を直しながら、寝室を後にし、スーツのジャケットに腕を通す太一くんを玄関まで見送る。
帰り際、「夕食作ってくれてありがとう。凄く美味しかった」と丁寧にお礼を口にして何事もなかったように去っていく背中に*****
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