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陽が落ちても身体が震えるほど寒くもなくなってきて、春へ向かって時は流れていると実感する。
マフラーに顔が埋まっている姿を見るのが好きだったけど、寒いのが苦手な彼でももう防寒は必要ないみたい。
コートを着ずに腕に掛けたまま、目的地に向かって歩みを進めるその背中を追いかける。
歩調を合わせることなく自分のペースで歩く男性なんてタイプじゃない。
前を歩く田中修二はまさにそれなのに、私が追い付いてないことに気付くと振り返り、笑顔を浮かべるわけでもなく真顔で待っている姿はときめきを通り越して感動さえ覚える。
「ごめんなさい。今日ヒール高くて」
「ん」
優しい言葉を掛けられるより彼の素っ気ない相づちのほうが嬉しいなんて、ほんとどうかしてるわ。
「どこに行くの?」
「肉バル。ワインの種類多くて料理も美味い」
お酒の話をするときは仏頂面が少しだけ可愛い顔になる。
もう少しで仕事終わり***************
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