「ねぇ、田中くん」
辛そうに荒い呼吸をする太一くんのおでこに手を当ててみると、すぐに熱が伝わるほど熱くなっていて、買ってきた保冷シートを貼ってから、後ろにいるはずの後輩に声を掛けた。
だけど、返事はない。
「おーい、田中くん」
名前を呼んでも返事がない代わりにフーフーと思いっきり息を吐く音が聞こえたことで、彼が何をしているのかを察することが出来た私は、後ろを振り返りその男を睨みつけた。
「ちょっと、田中くん!美味しそうに食べてくれるのは嬉しいけど、自分ばっか食べてないで太一くんにも食べさせてあげてよ!」
私が作った卵雑炊を、これでもかというくらい口いっぱいに含み、頬を膨らませている田中くんは、口の中のものをモグモグと咀嚼してから、やっと返事をした。
「んー?先輩一人で食べられない感じですか?」
「起き上がるのもキツそうだから、無理だと思う。こぼしてヤケドしても困るし……」 **********************
************
********************
************
*****
****************************
**********
********
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!