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白山小梅
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芙月みひろ
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白山小梅
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第27章「断絶」
律は譜面に指を置いた。
低音を一つ、重く配置する。
空気が反応した。
密度が変わり、図書室の壁がわずかに軋む。
彼の魔法は、音を鳴らすのではなく、空気を編む。
中音を浮かべる。
音が空気の層に触れ、記憶が揺れる。
最後に、高音を跳ねさせる。
その一音が、空気の流れを断ち切った。
魔法が完成した。
空気は律の譜面に従い、世界との接続を遮断した。
静寂が訪れる。
外の音は届かず、内の声も漏れない。
空気は律のものになった。
ねむるの声が、断絶の中に響いた。
「律くん、そこにいるのか?」
律は驚いた。
魔法は完全だったはずだ。
ねむるは、律の譜面に触れていた。
彼の声は、律の魔法を通じて届いた。
空気の断絶は、ねむるの存在を拒まなかった。
むしろ、彼の声だけが律の世界に残った。
律は譜面を見つめた。
魔法は、断つためにあるのではない。
繋ぐためにあるのかもしれない。
彼は、もう一度譜面に指を置いた。
今度は、ねむるの声に応えるために。
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