「レトさん……!」
「レトさん!」
『……んあ?』
「んあ?じゃないよ!」
「着いたよ。北海道に。」
『マジ!?!?』
俺は口についたヨダレを拭うと、荷物を持って飛行機から飛び出た。
『うわぁ……』
『北海道や……』
「懐かしいなぁ……」
キヨくんは懐かしそうに当たりを見回している。
あ、そうだ。記念に写真でも撮っておこう。
景色もいいし。
カシャカシャ
カシャカシャカシャカシャカシャカシャ
カシャカシャカシャカシャカシャカシャ
「レトさん、撮りすぎたよ笑」
『あぁ…ごめん。』
無意識に沢山撮っていたみたい。寝起きだからちょっとおかしいんかな、
「にしても天気がいいねー……」
『んなぁ、キヨくん』
『俺、あっち行きたい。』
俺が指さしたのは、店が沢山ならんである商店街。
食べ歩きには最適な場所だ。
「へぇ……こんなとこあったっけ?」
「とりあえず行くか。」
俺はキヨくんの後ろについて、歩いていった。
『なんか腹減った。』
「わかる。」
『なんか食べよ。もちろんキヨくんの奢りで。』
「仕方ねぇ……」
あ、!なんか美味しそうな看板が……
『みたらし団子やって!』
「食べたいの?」
『当たり前やん!』
『すいません!みたらし団子を2つ!』
「なんで勝手に買ってんだよ……」
『ほらよ。買ってやったぞ。』
「俺が奢ったんだけどな……」
2つ買ったうちの1つをキヨくんに渡す。
あ、そうだ。また写真撮っておこ。
美味しそうだし。
カシャカシャカシャカシャ
『ん、撮れた。』
「てかコレうめぇな。」
『確かに。』
ふとキヨくんを見ると、みたらし団子を口いっぱいに入れていた。
なんか……ハムスターみたい。
『なぁなぁ。へけって言って。』
「へけッ!」
『無いな。』
「なんだよ。」
『ごちそうさまでした。』
「ご馳走様でした。」
『次どこ行く?』
「とりあえず俺ん家行こうぜ。」
『あ、確かに。』
そうだ。北海道にはキヨくんのお母さんがいるんやっけ?
「タクシー!」
俺らは前回の反省を活かしてタクシーを呼ぶ。
ガチャ
「ちょっと道のり長くなるから俺は寝るね。」
『わかった。』
長いってどれぐらい長いんだろうか。
そう思いながらスマホを開く。
写真ホルダーでも見ようかな。
8月13日の写真ホルダー。さっき撮ったものだ。
『……あれ?』
見間違えかと思うほど
キヨくんの写真がずらりと並んでいた。
景色じゃなくて、息を吸っているキヨくん。
みたらし団子じゃなくて、ほうばっているキヨくん。
全てキヨくんだらけ。
『俺……こんな撮ってたっけ?』
サァ……
「なにみてんの?」
『ッ……!』
『寝たんじゃないのかよッ』
「いや。なんか寝れなくてさ。」
『なんだよそれ。』
『俺は寝るから話しかけんなよ。』
「おやすみー」
危なッ……。バレたら終わるとこだった。
だとしても、なぜこんなに写真を……?
なんでキヨくんばっかを撮っているんだろう。
コメント
2件
続き待ってましたぁぁぁぁ!!!!無意識にキヨのこと撮るとか可愛すぎかよぉぉぉぉ!!!!
久しぶりの連載投稿。ただいま。