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夜の11時。スマホが震えた。
件名:**「これは最後の警告です」**
送り主は知らないアドレス。本文はたった三行だった。
> このメールを10分以内に10人へ送らないと、
あなたの“後ろ”にいるものが振り向きます。
すでに三人が失敗しました。
思わず笑った。
古典的なチェーンメール。今どき誰が信じるのか。
削除しようとした瞬間、二通目が届いた。
件名:Re: これは最後の警告です
添付ファイル:**back.jpg**
ぞっとした。
そこに写っていたのは――
今まさに自分が座っている部屋だった。
自分の背中越しに。
撮影角度は、明らかに“背後”。
喉が渇く。ゆっくりと振り返る。
もちろん、誰もいない。
三通目が来た。
> 1人目:未送信
結果:振り向いた
意味が分からない。
だが、心臓が異様に早い。
さらに通知音。
四通目。
> 2人目:削除
結果:肩を叩かれた
同時に、背中に軽い感触。
――トン。
全身が凍りつく。
振り向けない。
スマホがまた震える。
> 3人目:笑った
結果:耳元で呼ばれた
「……ねぇ」
背後で、誰かが囁いた。
呼吸が、首筋にかかる。
涙が滲む。
送るしかない。誰でもいい。十人。
震える指で連絡先を開く。
だが、アドレス帳が空白になっていた。
全て消えている。
画面が勝手に切り替わる。
> 4人目:今あなた
結果:
文字が打ち込まれていく。
> 振り向いた
視界の端で、影が動く。
スマホのカメラが自動で起動する。
インカメラに映る自分の顔。
その後ろ。
天井に張り付く“何か”。
顔がない。
ただ、こちらを向いている。
画面越しに。
通知。
> 送信完了
宛先:あなた
メールアプリが開く。
件名:これは最後の警告です
送り主:自分のアドレス
本文。
> このメールを10分以内に10人へ送らないと、
あなたの“後ろ”にいるものが振り向きます。
すでに四人が失敗しました。
数字が変わっている。
五人目は、きっと――
今、これを読んでいるあなた。
背後に、気配はありませんか?