「……っん、ちょ、りょ、涼太……!」
名前を呼ぶ声すら塞がれて、ソファに押し倒されたまま小さく抗議の声を漏らす。
唇はもう何度も重ねられ、湿った舌が遠慮なく口内を這う。
「ん、んんっ……ふ、ぁ……っ、ちょっと……!」
腕で押そうとしても、全く退いてくれる気配のない涼太。
普段はあまり感情を大きく表に出さないくせに、キスとなると本当に止まらない。
「……ん、なに」
「いや、なにじゃなくて!キス長すぎ!」
必死に息を整えながら、涼太の胸を拳でコツコツと叩いた。
それでも涼太はニコニコと笑いながら、再び顔を近づけてくる。
「まだ、苦しくないでしょ?」
「いや、苦しいから!涼太は肺活量凄いけど、俺そんなだから……!それにいちゃつくときのキスってこんな長いものじゃないから!!」
涼太はケラケラ笑いながら、「じゃあ軽めのやつにするね」と言って、そっと俺の頬にキスを落とす。
……が、それも一度だけじゃ終わらない。
頬に、額に、まぶたに、首筋に。
まるで“キス”という言葉の意味を履き違えているんじゃないかと思うくらい、飽きずに触れてくる。
「な、なんでそんなにキス好きなの……」
呆れたように呟くと、涼太は少しだけ照れたように目を細めて、ポツリ。
「……翔太だから、だよ」
その一言で、文句を言う気力が全部どこかに吹き飛んでしまう。
頬がじんわりと熱くなるのを感じながら、「……あー、もう……」と翔太は再びソファに沈む。
その後、結局もう一度長い長いキスをされる羽目になったのだった。
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