それからというもの、鈴子と純は唯一無二の親友になった、鈴子は生まれて初めて百合の事を他の誰かに話した
純は大人になったら「百合」を探すのを手伝ってやると言った、純も両親との間に距離を感じていて、この寄宿学校に入れられたのは厄介払いをされたんだと家族に不満を持っていた
二人は何をするにも一緒にやった、そして高等部に進学し、高三の夏休み、純が毎年家族でギリシャ旅行に行くから鈴子も行かないかと誘った
「私には父の遺産がわずかにあるだけで、あなたの家みたいに豪遊は出来ないの、海外旅行なんて無駄使いだわ」
鈴子はそう眉間にシワを寄せたが純は聞かなかった
「お金なんか飛行機代だけでいいわよ、毎年ギリシャの家族旅行なんか退屈で苦痛なのよ、海とボロボロの遺跡しかないんだもん!カラオケもゲームセンターも無いし、でも今年はパパとママがあんたも連れて行っていいって言ってくれたわ、うちの別荘に泊ればいいし!ねぇ!行こうよ!従兄が鈴にどうしても会いたいんですって!アイツ、あんたのインスタに全部「いいね」してるんだよ!」
小さな頃は百合と比べたら自分はツバメの巣にいるひな鳥の様にガリガリで目だけが異様に大きい不細工だと思っていたが、思春期になって18歳にもなると、鈴子はハンサムな隆二のDNAを受け継いで、目鼻立ちのハッキリとした知的な美人に成長していた
長身で引き締まった隆二によく似て、またスタイルが素晴らしかった、小ぶりだが盛り上がったバスト、真ん丸のお尻に恐ろしく長く形の良い足が伸びて、全身から若さが溢れていた
「天下の「カクヨ文具」の一族がそこに結集するんでしょ?場違いだわ」
鈴子は気乗りしない風に言った
「それだけじゃないわ、世界中の富豪が集まって連日どんちゃん騒ぎよ!子供は早々に寝かされるの!でも今年からはさすがにパパやママも私達を大人扱いをしてくれるわ、私とウェットの効いたあなたのコンビだと、そこら中の御曹司を無双できるわよ!」
ワクワクしている純に鈴子は肩をすくめた
「楽しそうだけどやめておくわ」
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