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「これは正確には寝袋じゃない。寒い場所や雪山なんかで使う、シュラフカバーと呼ばれる道具だ。本当はこの中に寝袋を入れて使うのが通常の使い方。単なる袋に見えるが、普通の寝袋よりむしろ高かったりする。先生が使っているのはゴアテックスの高級品で、2万円近くする奴だな。雪山用だとこれくらいが必要だそうだ。
さて、この本来は寝袋ではないシュラフカバー。雨具並の耐水性能を持っているし、綿がないから小さくもなる。なので、ゴリゴリの山屋とかは、中に寝袋を入れず、カバーだけでシュラフ代わりに使っていたりするんだな。下手すればテントなしで、これで寝たりもする。ただ、普通のキャンプでこれを使うのは単なる山バカ。そう私は個人的に思う」
以上、先輩による先生の寝袋? に対しての説明だ。
先生が言い訳がましく追加する。
「慣れると寝心地がいいんですよ。布地がしっかりしているから、それなりに温かく寝る事が出来ますし。綿が無い分、自由もききますから楽ですし」
なるほど。こういう道具というか、落ちもあるわけか。
参考になるなと思って、気づく。
何の参考になるのだろうと。
「さて、次は料理を作りますよ。寝袋を置いて、外に出ましょう」
◇◇◇
もう少しで夕方。
大分、太陽が低くなっている。
「暗くなる前に準備しますよ。まず皆さん、そこのヘッドライトを付けて下さい」
まるで探検家のような、ゴム入りベルトで頭に留めるライトだ。
それを僕ら3人、それぞれ頭に付ける。
「あれ、先輩の分は」
「川俣さんはライト無しで大丈夫なんですよ。まあ理由は、そのうち」
なら追及しないでおこう。
キャンプ用テーブルを出して広げる。
椅子を人数分組み立てて座った後、先生が器具2つの説明をする。
「登山などだと別のガス容器の規格があるのですが、うちの野遊びだと平地と夏山メインなので、安いカセットガスを使います。このガスバーナーは、バーナー部とボンベ部が離れているので、狭い場所でも便利なんですよ。
あと、こっちはガスランタンですね。ガス注入式の小型のものですが、テーブルの上に置いておくと便利なので、愛用しています」
そう言って先生は、ランタンと言った方を持って、カチカチと火をつける。
40ワットの電球くらいの明るさで、灯がともった。
結構明るい。