テラーノベル
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GB「…ッえ」
気づけば、目の前に桟橋が見えた。
白く美しい砂浜とは対照的に、茶色く古い橋。
その一番海に近いところまで歩く。
理想の死を前にして、何故私は揺らいでいる?
なぜ私はまだ、死ねないでいる?
GB「いか、なきゃなのにッ」
なんで、まだ私の足は止まっている?
「…イギ」
背後から、声がした。聞き慣れた、温かい声。
誰かなんて、見なくてもわかる。
GB「フランスッ…、ごめんなさッ、私ッ」
だからこそ、謝罪の言葉が頰を伝って溢れる。
「「貴方を信じられなくて、ごめんなさい」」
そう言おうとして、先にフランスが声を出す。
FR「チッ…なんだ、死なないのか…」
FR「いい加減早く死ねよ」
一瞬、何を言ったのか理解できなかった。
GB「…ッぇあ」
視界が滲んで、真っ黒に染まる感覚。
愛している人にも見捨てられた惨めさ。
悲しさ、苦しさ、気持ち悪さ、痛さ、辛さ。
こんなの、現実だと思いたくない。
GB「嫌ッ…、嫌ッぁ‼︎ポロポロ」
DE「イギリス…?」
眼鏡の先に碧眼の覗く国が此方を見ていた。
GB「ごめ、ドイッ、さッ助けてッ許してッポロポロ」
DE「…!大丈夫だ、俺はここにいる」
DE「此処にお前に害を与える者はない」
DE「だから大丈夫だ、落ち着け」
GB「ッ、ハァッポロポロ」
視界は相変わらず滲んでいるが、意識が段々とはっきりしてきた。
それと同時にまた悪夢を見たこと、ドイツさんに迷惑をかけてしまったことを理解する。
起死観念に襲われながらも、今できる精一杯の笑みで、ドイツさんを心配させないように
GB「ごめん、なさいッニコ」
GB「迷惑ッ、かけましたよね」
そう、謝罪の言葉を述べた。
完璧に身につけた笑みなのに、彼の顔はどこか寂しそうで、苦しそうになった。
GB(何故でしょう…)
GB(やはり先程迷惑をかけてしまったから…?)
DE「…イギリス、無理してないか?」
GB「…してないですよ」
DE「…聞き方を変えよう。無理してるよな?」
GB「ッ…してない、です」
DE「…そうか、ごめんな」
そう言いつつも、碧眼は鋭い光を宿したまま。心の内が透かされて、覗き込まれているような気さえする。
「まもなく投機は着陸体制に入ります」
「今一度、シートベルトが閉まっているかをお確認ください」
アナウンスが聞こえ、私がどれだけ寝ていたかを把握する。
その間、迷惑にならなかっただろうか。
DE「ドイツ観光だったか」
横からまた、声が聞こえる。窓の外にやっていた目をそちらへ向けた。
GB「…はい」
DE「案内するからついて来いよ。家に泊まればホテル代も浮くぞ?」
GB「たっ、たしかに…」
金銭面の痛いところを突かれた。
幾ら国の象徴と言っても、勿論仕事もある。
勿論給料だってある。
GB(私の所持金は80万程…。終末旅行ですし、食費はいらないからと割り切りすぎましたね)
DE「どうだ、俺らの家に泊まるか?」
GB「……泊まります」
苦渋の判断といったところだろう。だが幸い、フランスからは逃げられる。
そうしてドイツさんと二人、飛行機を降りた。
その後はベルリンやブレーメンなど、いろんな都市を見て回った。
それでも、景色を綺麗だとは思えなかった。
綺麗なはずなのに、それがわからなくて。
だから無理やり、喜んでいるフリをした。
そうすればドイツさんも、少し口角を緩める。
嬉しそうな顔になったから。
ベルリン観光の後に、ベルリンにあるドイツ家へお邪魔する。ドアを開けた先にあったのは、意外にも温かい空間であった。
ナチスさんがこちらに気付き、話しかけてくれる。
卍DE「イギリス、久しぶりだな」
卍DE「体調が良くないと聞いてるぞ、少し休んでいけ」
GB「い、いえ…悪いですよ」
本当は外出の疲労で休みたいところですが…。
迷惑をかけるわけにはいきませんので…。
卍DE「そう言うなよ。病人を放っては置けないのが医者なんだ」
DE「すまんな、ナチスは医者だから色々詳しい分厳しいんだ」
GB「いえいえ、本当にいつも…私なんかの為にありがとうございます」
卍DE「礼は休んでからな。部屋は準備済みだ」
GB「あ、ありがとうございます」
そんなこんなで、部屋に入ってベッドへ直行。
流石に迷惑かけすぎですし、2時間でもすれば出ていきましょう
悪夢を見るくらいなら寝たくないんです
そう、用意されたベッドの上で考える。
そしてそのまま_______________
また、見覚えのある風景が見えた。
EN「おい、イギリス」
後ろから声がした。私の嫌でも逆らえない恐怖の対象。冷酷で冷徹で、心が一気に冷える感じがした。その目はいつも変わりない。
そう、私のお父様…イングランドだ。
GB「どうしてお父様が此処に…」
EN「それより」
EN「早く死ねと言っただろ」
EN「いつ死ぬんだ、おい?」
GB「えッあ…ポロポロ」
EN「私は出来損ないは入らないんだ」
EN「一家の恥だ、早く消えてくれ」
GB「ぇあッ……ポロポロ」
怖い。動けない。逃げたいのに足が動かない。
ふらんす、
フランス…
ガバッ…
布団が一気に直角に折れて、音を立てた。
体中に冷汗をかいていて、気持ち悪い。
また、眠れない
もう、眠りたくない
どこにいても怖い
だったらもう、どこに居ても変わらない
リビングの机に、
「短い間ですがありがとうございました」
とか書いた置き手紙を机に乗せる。
そして急いで部屋を、ドイツ家を出る。
もう、大丈夫だ。
卍DE「………。」
そんな安直な考えで、外へ出た。
冬の寒いベルリン。凍えるような寒さに、自分が意外にも薄着であることに気づく。
GB「どこかに忘れましたかね…?」
卍DE「探し物はこれか?」
GB「ナチスさんッ⁉︎」
そう言うと、目の前の彼はひらひらとコートを見せる。
フランスが誕生日プレゼントに買ってくれた、紺のコート。懐かしい昔の思い出が蘇り、また涙が出そうになる。
最近やけに涙もろい。
卍DE「冬のベルリンは寒いぞ。ちゃんと着ろ」
GB「あ、ありがとうございます」
卍DE「それと」
卍DE「お前が一人で此処に来た理由は何だ」
卍DE「出張等の予定はないはずだ」
GB「…さぁ、ただの一人旅ですよ」
お得意の作り笑いで、鋭い眼光を徐に受けないようにする。
そうじゃないと、怖くて足が動きそうになくて
だかそのまま急いで別れを告げた。
GB「では…そういうことで」
卍DE「…嗚呼、“またな”」
そうしてベルリンの寒い冬が体を冷やす中、ベルリンの空港へと歩き出した。
卍DE「…ッぁ、もしもし?」
卍DE「お前、イギリスが一人旅してるの知ってるか?」
??「…ッは、?知らないけど…。」
卍DE「…今さっき俺らの家に来たんだ。体調も相当悪そうだった。」
??「…それってさ」
??「終末、旅行だよね?」
卍DE「嗚呼、そうだろうな」
卍DE「…もう何が言いたいか分かっただろ」
卍DE「これは“イギリス”の終末旅行なんだ。 イタ王なら俺だが…。イギリスを止められるのはお前だけだぞ。」
卍DE「フランス」
FR「…嗚呼、勿論分かってるよ。」
FR「何としてでも止めて見せる。」
コメント
1件
嗚呼、ナチが「またな」って言った イギリスは救われる…(ナチス信者)
舞海
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