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……なんでこうなった
目の前には、岩本照。
その人が今、ふわっふわのパンケーキを、めちゃくちゃ幸せそうに頬張ってる。
💛「ん!おいひぃ…」
……いや待て、おかしいって
や
さっきまで俺、もう学校生活終わりとか考えてたのに。
時は遡ること、一時間前。
──
部屋に二人きり。
💛「そこ座って」
💙「はい…失礼します」
言われるがまま、ソファに腰を下ろす。
うわ…すげ、ふかふか。
ふわっと体が包み込まれる感覚。
とても心地のいいソファでした。
向かいに座った岩本さんは無言で、めちゃくちゃ怖ぇし。
💛「部活決まった?」
💙「え」
予想外すぎて、間抜けな声が出た。
💙「まだ迷ってて…」
💛「そっか」
少し考えるように顎に手をやる。
💛「お前さえ良ければさ、サウンドとダンス、両方入らない?」
💙「……え?」
💛「どっちもサポートする。俺が」
さらに混乱する。
思わず聞いた。
💙「どうして、そこまで」
💛「…俺のお気に入りの場所が屋上なんだけどさ」
屋上。
💛「立ち入り禁止にしてたのに、ある日来た奴がいて」
まさか…な
💛「すげぇ辛そうな顔してて」
💛「そしたら急に歌い出してさ、それが、めちゃくちゃ上手くて、聞き入っちゃうくらい」
💙「……」
💛「そいつが、今俺の目の前にいる」
視線が絡む。
💛「探してた。ふっかがお前の話してたし、康二からも聞いて。でもその時は、屋上の奴と同一人物って気づかなかった」
💛「ラウールがダンス部に連れて来た時、やっとわかった」
💛「歌も上手いし、ダンスも少ししか見れてないけど、センスあったし」
嘘偽りなく、真っ直ぐに伝えられて、少し照れくさくなる。
💛「これ逃したらダメなやつだなって、だから両方入ってみない?」
💙「……」
少し考える時間を貰って、
💙「正直、どっちもやりたいと思ってました。でも俺なんか絶対どっちもこなせるわけないって思ってたんで、一つに決めようと思ってたのに、そんなこと言われたら断れないっすよ」
💙「……両方、やらせてください」
💛「よし」
短く、満足そうに彼は笑った。
そして、簡単に今後の流れなど説明をしてもらい、入部届けも書くことになった。
少しして、
💛「このついでにさ、気になってる店あるから、付き合ってくんね?」
💙「え?」
気づけば、俺は岩本さんの車に乗せられた。
着いた先は、SNSでバズってたパンケーキ屋。
あ、ここ知ってる。今期間限定でいちご盛りのやつだ。
俺、SNSめっちゃ見てるからな。
流行りには強い方なんだよねぇ
そして現在に至るわけ。
💛「男一人で来るの、ちょっと恥ずかしくてさ」
ぽそっと言う。
💛「他の奴ら、甘いの興味ねぇとか言うし」
少し拗ねたような顔。
いや、男二人で来るのもまあまあ恥ずいですけど?
しかも目の前で、ムキムキの筋肉さんが、『いちご爆発!きゅんパンケーキ』(甲高い声で)食べてるんだから。
ギャップがすごい。
💛「渡辺、甘いの平気?」
💙「まぁ…」
💛「よかった。甘いの無理とか言われたら俺一人で二皿だった」
ちょっと安心した顔。
💛「早く食えよ」
💙「…いただきます」
一口。
💙「うま」
💛「だろ?」
黙々と食べ進んでいると
💛「で、なんであん時辛そうな顔してたの?」
一瞬言葉に詰まる。
言えるわけないだろ。庶民で、バレたら終わりとか
💙「……忘れました」
💛「そっか」
深追いはされない。
💛「まぁいい、才能あるやつが腐るの、嫌いなんだよ」
その一言で、庶民どうこうも、どうでもいい、ただ、才能のある奴が欲しいというのを感じた。
あぁ、やっぱりこの人は、上に立つ人間なんだ。
でも今は、その言葉だけで、少し救われた。
また岩本さんがパンケーキを頬張る。
💛「おいひぃ」
生クリームついてる。
言わないでおこ、
なんか今は、このギャップ見てるだけで面白いから。
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