コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
災害の後始末で警察や消防団は忙しく、父達の検証は後回しにされた、その結果、父と兄は二人で酒に酔って言い争って父は銃殺、息子は心臓発作という死因が出た
地震のせいで周りにもっと酷い死人が出ていた、家政婦も事情聴取で二人の親子関係は悪く、いつも言い争っていたと言った
父、兄、鈴子・・・三人を乗せた霊柩車は葬儀場まで向かった、鈴子の悲しみ、孤独感は言葉では言い尽くせぬほど深いものだった、彼女の人生の一部であったはずの人間が二人も同時に死に、この世から消えていくのだ
鈴子は思った、二人が死んだのは百合のせいだ、百合が仕向けて殺したのだ、私の家族を奪った、その夜鈴子は冷たいベッドの中で泣いた
天涯孤独になってしまった・・・もう私を愛してくれる人はどこにもいない・・・
自分をこんな目にあわせた百合が消しても、消しても頭の中に浮かんでくる
そこで鈴子はハッとした、今ハッキリわかった
これが「憎しみ」というものなのだ
自分をこんな目にあわせた百合のへの憎しみで体が震える
憎悪の感情がメラメラと燃え盛り、すべてを忘れてたった一つへのものに集約させた
あの女を探すのだ、今自分が味わっている愛する者を奪われた虚しさ・・・生きる希望を失った復讐をするのだ
涙で枕が濡れる・・・
必ずあの女に償わせよう
もう少し時間が欲しい、自分は大人にならなければいけない
今は具体的な案は無い・・・
しかし復讐は必ず実行する
「明日が・・・」
真っ暗闇の中で孤独と恨みに震えながら鈴子はポツリと囁いた
「明日があるなら・・・」