かの少女、シアン

おや？どうしましたか？周りをキョロキョロとされて…えぇ、道に迷われてしまったと…なるほど地図はお持ちですか？

あら、魔獣との戦闘中に落としてしまった？なるほど…よければ私の余りの地図をお渡ししましょうか？

いえいえ、お気になさらず。私は旅慣れしていますし、地図を無くされる方は多いので分ける為地図はたくさん持っておりますので。

ええこちらです、どうぞお持ちになってください。

ところで貴方様はどちらから来られたのですか？

そうなのですか。なるほどクラルスの王都から出てすぐに魔獣に追いかけられた、と…。それは災難でしたね。

ああ、私ですか？私はクラルスの生まれでしてずっと一人で旅をしているのです。ええ、そうです吟遊詩人としては笛を携えて色々な所へ行っていますよ。

今まで旅してていちばん楽しかったことですか？

そうですね…難しい質問ですがたくさんの方々に私の演奏を気に入って貰えた時でしょうか。

ええ、私は…たくさんの方々から教えていただいた古い歌を無くさないようにと思い吹き続けているのです。

古の歌たちは今の娯楽のために作られた曲とはまた違い強い思いや歴史を伝えるために作られた歌なども数多いです。

しかし今や歌える方は段々と少なくなって言っていますから私でよろしければそれを譜面として残し練習して普及させたいと私欲のためですよ。

ふむ、どんな歌があるのか？と恋の歌もあれば天神への誓いの歌もあり、魔人と戦った勇者の歌もあります。ええ、演奏して欲しいですか？かしこまりました。ではあなたの旅路が幸運になりますように…１曲どうぞ。曲名は天神の光…。