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🇬🇧「アメリカ…一ついいですか?」
🇺🇸「なんだよ親父」
枢軸組を滅ぼすための会議が終了した後、2人きりになった親子
🇬🇧「その…もし私たちが勝って、3人はどうするのですか?」
🇺🇸「…。」
🇬🇧「私情でごめんなさい。でもこれだけは聞いておきたいのです」
🇺🇸「…殺すつもりだ」
やっぱり予想通りだった。でも彼らは沢山の人々を殺し、侵攻、略奪の限りを尽くした
許される存在ではない
🇺🇸「だが…」
🇬🇧「だが?」
🇺🇸「あの3人は…俺らに捕まるくらいなら
散るつもりだろう」
🇬🇧「……」
🇺🇸「特に日帝なんかはそうだ。あいつの性格上最後の1人まで抗いそうな気がする
そこでだ」
「親父が降伏の使者になってほしい」
🇵🇼「怖いよー…ナイチー」
明かりが一つもない漆黒の狭い道を日帝達は静かに進む
目指すはまだ攻撃されていない朝鮮がいる会社
あそこならまだ食料や武器があるはずだ
そしてしばらくそこを拠点にすれば良い
日帝「パラオ、もう少しの辛抱だ」
変に物音を立てれば敵に見つかり、一網打尽にされる決死の行動である
所々休憩を挟みつつ、午前3時に朝鮮のいる会社に着くことができた
日帝「よしお前ら。ここで待ってろ。 私が確認してくる」
念の為刀と小銃を携帯し、いざ朝鮮の元へと向かう
階段、部屋共に真っ暗である。一つ一つの部屋を探すと社員達が寝ているのが見える
日帝「タイミングが悪かったか…」
別室で待機しようとしたその後ろから
「おやおや、日帝さんじゃないですか」
日帝「…朝鮮!」
朝鮮「無事で何よりでした。さぁこちらへ」
案内されたのは少し明るいミーティングルームだった
朝鮮「度重なるで疲れたでしょう?コーヒーでもどうぞ」
日帝「ご親切にどうも」
差し出されたコーヒーを飲む。…苦い
コーヒーなんて何年ぶりに飲んだだろうか…
これで戦の疲れも取れるといいな…
ザシュッ
朝鮮「チッ…流石は江戸の血を引くもの。抜刀まで早いですね」
日帝「お前が刀を振る音がかすかに聞こえたんだよ。周りが静かなおかげでね」
突然背後から刀を振り下ろしてきた朝鮮に
日帝は即座に抜刀し、押さえ込む
日帝「で…どういうつもりだ?朝鮮、謀反か」
朝鮮「そうですね…謀反でしょう」
日帝「貴様までもが連合の手に…」
朝鮮「ここまで来たので言わせてもらおう…
この侵略者が!!!」
朝鮮に蹴り飛ばされ、体制を崩す日帝
しかし即座に立ち上がる
朝鮮「気に入らなかった…私よりも新人のお前が優遇されることに…そして清の会社を思いのままに操り…しまいには他国からの会社を
奪い!」
日帝「…。」
朝鮮「だから私はいち早く連合に降伏した
全ては日帝…お前を滅ぼすために!!」
怒りのあまり無謀に剣を振り回して襲いかかる朝鮮。しかし実力は日帝の方が上であった
振り回している朝鮮の隙を見つけ、足掛けを行い、背中から押さえつける
朝鮮「クソッ…!クソォ…!」
日帝「私の行いが正しいわけではない…
だがお前にはこの苦労はわからんであろう」
🇵🇼「ナイチおかえりー!どうだった?」
日帝「朝鮮は寝ていた。だから食糧と武器を少しもらってきた」
🇵🇼「でもナイチ手の赤いのなにー?」
日帝「前の戦の返り血だ。安心しろ」
一方その頃、イタ王はというと…
イタ王「うーん…やっぱ2人がいないと寂しいんね…」
「いたぞー!イタリア王国だ!捕まえろ!」
後ろから連合軍の追手が迫ってきていた
イタ王「ioは戦争下手って言われるけど…
ここぞという時には負けないんね!」
激しい銃声が夜の街に響き始めた
イタ王は逃げつつ、連合軍の兵士を撃つ
また、小型のナイフや画鋲などを地面にばら撒き、兵士たちの撒菱に使ったりした
しかし連合軍はイタ王の兵よりも圧倒的に多く
逃げ切れることはほぼ不可能だった
イタ王「ダメか…」
部下「イタ王様!後ろ!」
イタ王「え?」
パアンッ…
放たれた弾はイタ王の右肩を貫いた
生まれて初めて受ける痛みにイタ王は苦しみ
倒れ込んだ
部下「イタ王様ー!」
撃たれた間も無く、勢いに乗った連合軍により
ついにイタ王は捕えられてしまったのだった
そしてナチスは…
部下1「地上にある我々の本部が陥落したそうです」
連合軍、特にソ連の集中砲火を逃れるため
事前に作っておいた地下壕に退却
作戦会議に没頭するも、戦況はさらに悪化していった
さらに日々続く爆撃に兵士たちは精神を狂わされていた
卍「…。」
部下2「総統(ナチスの別名)…もう降伏したら
如何でしょうか?もう私たちは彼らと戦えるほどの戦力を持っておりません」
卍「皆。ここまで済まなかった。私のくだらぬ野望に…」
部下1「何を!これは総統のせいではありません!」
卍「未来あるはずだった人々の命を奪い…人生を翻弄させ…」
部下2「私達は最期まで戦います!」
卍「だめだ。お前達は奴らに降伏しろ。奴らが狙っているのは俺やイタ王、日帝だ。
お前達は許されるはずだ。おまけにまだ若い」
部下1「総統は?総統はどうなさるので?」
卍「俺はこの地下壕と運命を共にする。この街の人々を狂わせた…俺への罪の償いだ」
部下2「ダメです!私達も…」
卍「いいから早く行け!」
言い返してきた部下の言葉を掻き消すほどの声で叫ぶ。怒鳴り声に部下は怯えるが
卍「これが俺の最期の命令だ。頼む」
部下2「…承知しました」
どこか悔しい背中を見せ、部屋を出ていく
部下2人。部屋にはナチス1人きりになった
卍「俺の夢は…なんだったっけ…」
ふと胸のポケットからナチス党結成の瞬間の写真を机に置いて眺める
卍「不況で苦しんでる民を救い…街を再生する…それなのに…」
ヴァイマルの追放。オーストリア、チェコの買収。ポーランド侵攻。フランス侵攻
そして連合軍との戦争…
卍「何故だ…俺はどこで間違えたんだ…」
1人つぶやくナチス。声をかける者はいないというのに
そして絶え間なく響く爆発音
ナチスは覚悟を決めた
決して開かないように部屋のドアを閉め、小銃を取り出す
弾薬が尽きていないかよく確認する
卍「日帝…約束果たせそうにないわ。俺が…
俺が愚かだったせいで…」
これからやる行いに対して心臓が、手が震えている。深く深呼吸して己を落ち着かせる
日帝…イタ王…短い間だったけど楽しかったぜ
お前らがいたおかげで人生が楽しく過ごせた
そして日帝…俺は…俺はお前を…
日帝「!!!」
何か起こったわけでもないのに自然と体が振り向いてしまった。体の方向の先には確かナチの
地下壕があったはず…
日帝「ナチ…?」
🇺🇸「さて、残るは日帝のみか…」
ソ「あの野郎、勝てるはずもないのに無謀に
抵抗しやがって…」
イタリア王国の捕縛、そしてナチスの死
枢軸国の敗北は決定していた
連合軍は抵抗し続ける日帝軍をどうするか考えていた
🇬🇧「明日私が降伏を勧めてきます。1人だし、
聞いてくれるかもしれません」
今や日帝は一匹狼。資源や兵器も枯渇し、まともに戦える状態ではない
そんな中かつての恋人に降伏を勧められたら
流石の日帝も応じるだろう
アメリカとソ連はそう感じた
翌日、雨の降る中イギリスは日帝の元へと向かった。勿論丸腰状態で、護衛もついていない
彼とは保安連盟脱退後以来の再会だった
🇬🇧「ここですね…」
建物の前には武装した兵が構えている
おそるおそるそこに近づく
兵「何者だ」
🇬🇧「降伏の使者に参りました。連合軍の
イギリスと申します」
兵「…イギリス、だと?」
その名を聞いた兵はトランシーバーで何かしらの通話をする。少し経った後
兵「…日帝様は貴様と話をしたくないそうだ。去ね」
🇬🇧「…え?なんでですか」
兵「さっさと戻れ。これが日帝様の判断なのだ」
🇬🇧「お願いします!ひと目だけでも!」
兵「往生際が悪いぞ!」
途端に銃を構えられるイギリス
ついに諦め、連合本部へと戻っていった
彼は悔しそうに建物を見上げた
その夜、日帝は全兵を会議室に集めた
連合軍に殺され、捕縛され残ったいたのは
10数人程度であった
日帝「皆…ここまでついてきてくれてありがとうな。君たちはここで終わりだ」
兵「それ…どういう意味ですか?」
日帝「交渉は決裂した。明日になれば連合軍に
よる総攻撃が始まるだろう」
兵「玉砕…ですか」
日帝「私はそんな目に遭ってほしくない。
だから今日のうちに連合軍に降伏しろ」
その言葉が全兵士たちをざわつかせた
兵「日帝様は…」
日帝「私が全ての責任を取る」
兵「そんな!無茶苦茶ですよ!」
日帝「命令に従わないのなら今ここで斬り捨てる」
冷酷な目線で抜刀する日帝
少々強引だが彼の思いは本気であると考える兵たち
日帝「お前達は見てきたであろう。戦争の恐ろしさを。だから伝えてやってほしいのだ。
2度と繰り返さぬように」
🇵🇼「だったらナイチも生きて伝えなきゃでしょ!」
大勢の大人がいる中、1人だけ大声で主張したのはパラオだった
日帝「それは無理だ」
🇵🇼「ナイチのバカ!自分勝手!」
日帝「すまぬなパラオ…でもこうでもしないと
皆んなに顔合わせできないんだ」
私の大切な仲間達は皆揃って散って行った
奴らが死んで私が生き残るなど…
🇵🇼「ナイチのバカ!バカ!」
日帝「皆、パラオを連れていけ」
大人の力強い腕力に持ち上げられ、部屋を出ていかれるパラオ。その叫びはだんだんと
軽蔑から悲しみへと変わる
🇵🇼「ナイチ!死んじゃダメ!ナイチー!」
それに続いて他の兵士たちも泣きながら部屋を出ていく。命令は命令
どんなものであれ逆らうことは彼の思いに反するので2分も経たないうちに全兵が会議室を出て行った
日帝「後の世は任せた…お前達」
数時間後、パラオ含む日帝以外の全兵が連合軍本部に押し寄せ、降伏すると伝えてきた
ソ「ここまでご苦労だった。ゆっくり休め」
兵士たちはテントに預けられた
🇬🇧「アメリカ…」
🇺🇸「明日、総攻撃を加える。出し惜しみはなしだ」