テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
♡( ˙ཫ˙ )カハッ
連合軍は決定事項通り、総攻撃を加えるため
日帝のいる建物に向かって軍を動き出し始めた
大量の兵器を添えて
ソ「なぁ…こんなに動員する必要あるか?」
🇺🇸「部下の降伏から今この時までだいたい
24時間程度。あいつもいろいろ準備する猶予があったはずだ。交渉決裂からもうわかるだろ?
あいつは最期の最後まで抗うつもりだ
だから早く終わらせなければならないんだ」
市民のためにも、俺たちのためにも…
ソ「(それが俺たちなりの正義か…)」
そこまで時間もかからないうちに連合軍は日帝のいる建物に到着した
時刻は正午過ぎ
建物から誰からも出る気配はない
まずは藁にもすがる思いで兵数で威嚇する
無論、日帝は応じない
次に建物に向かって威嚇射撃を行った
日帝は応じない
🇬🇧「なぜわざわざこんなことを?」
🇺🇸「念には念を。試させてもらったのさ。
日帝の覚悟をな」
あらかじめ市民には激しい銃撃戦、爆破攻撃が行われる可能性があると
避難指示を出しており、街には連合軍、 日帝の他いない
🇺🇸「試しも終わったことだし、攻め入ろう」
ソ連とイギリスは頷き、兵士達に指示を出す
罠があるかもしれないので、入り口から気をつけて侵入する
特に怪しいものは見当たらず、いざ一番槍と駆け込もうとした瞬間ーー
兵「っっ!?」
薄くて透明な糸にひっかかり、転倒する
後ろから兵士たちも続けてドミノ倒しになっていく
🇺🇸「あの野郎…罠を敷きやがって!
銃撃に備えろ!」
兵「ひいぃっ!!…あれ?」
兵達は怯えるも、銃弾や爆弾が飛んでくることはなかった
兵「え…ただの罠?」
🇺🇸「充分に注意して先に進め!」
兵達は慎重に奥へ奥へと進もうとするが悉く罠に引っかかり、日帝のいる階へと進むことができない
さらに上の階へと近づくほど、罠の威力は高まり、より引っかかりやすくなる
アメリカは内部から侵入する手はかなり困難だと判断し、一度兵を戻した
🇺🇸「…さて、残ってる手は一応持ってきた大砲を撃ち込むしかないのか…」
ここまで手荒な手段は使いたくなかったがここまでくればもう最終手段。連合軍は弾薬の準備を整える
それを窓から眺めている日帝
「(さて、準備でもするか)」
連合軍が大砲を準備している間、太陽は沈み始め、夜に突入した
兵「アメリカさん!大砲の発射準備完了しました!」
🇺🇸「よし、しっかりと狙いを定めろよ?」
日帝がいるであろう4階の部屋に大砲の狙いを定める。チャンスは一度きり
大砲の発射台に火をつけようとした瞬間ーー
兵1「…!?なんだあれ…人影?」
4階のベランダに突如として松明を持った人影が現れた
その人影は動かず、そこに突っ立っている
兵士は急いでアメリカに伝える。
双眼鏡を手にし、見てみるとそれは紛れもなく
🇺🇸「(日帝だ…なんのつもりだ?)」
敵の予想つかない行動に待機していた兵士達も
一斉に建物を見始める
辺りは暗いものの、松明のおかげで少し下の方を見ることができる日帝
驚きながら見にきている彼らを眺めながら
日帝「よしよし…沢山きてくれたみたいだな」
ソ「おいイギリス!お前の日帝が…外にいるぞ
🇬🇧「え…?」
急いでアメリカの方に駆け寄ると暗いながらも
松明を持っている人間が1人
🇬🇧「日帝さん…?何をする気ですか…?」
周りも煙臭くなり始め、頃合いを感じた
日帝は空を見上げる
今日の夜空は明かりがないおかげで街中であるのにも関わらず、星がよく見える
その夜空に向かって日帝は回想する
列強に憧れ…強くなろうとした日々
楽しかった…仲間との日々
もう戻れない…あの頃の日々
そして…最愛の人との日々
日帝は静かに微笑み、持っていた松明をそっと落とした
その瞬間ーーーー
ドオオオオオオオオオン!!!!
🇺🇸「うっ!!!」
とてつもない爆発音、衝撃波が連合軍を襲う
いくつかの兵士は衝撃波に吹き飛ばされる
衝撃の影響でガラス、コンクリートの破片が飛び散る
ソ「ケホッ…な、んだ今のは」
松明と人影があった場所は一瞬にして炎に包まれた
ゆっくりと体を立ち起こし、建物の残状をみた
アメリカは感じる
🇺🇸「嘘だろ…あいつ…自分で…?」
その後連合軍が建物内に侵入し、火を鎮火
その結果、先ほどの爆発の原因は松明の火による爆発物の引火であり、それは殺傷性の高いものであることが判明した
そのおかげか、日帝の体は跡形もなく消え去っていた
日帝の自決。これを持って街全体を巻き込んだ2度目の大災難は幕を閉じた
生き残った連合軍は再び街の復興に向け歩み出す。今回は隣街の人々もボランティアに参加してくれることが決定した
🇺🇸「…入るぞ」
部屋に入ると、薄暗い中イギリスが1人蹲っていた。彼からは嗚咽が聞こえる
アメリカは手を差し伸べようとするも振り払われる
🇺🇸「親父…」
🇬🇧「今は1人にさせてください…日帝さん…
うぅ…」
かつて日英同盟の時に撮ったツーショットの写真を力強く握りしめる。写真がクシャクシャになってしまうほどに
🇺🇸「親父…悲しんでる暇はないんだ。俺たちは戦後処理をしなくちゃいけない」
🇬🇧「私が立ち直れるとでも思ってるんですか?」
その時こちらを向いた目は赤く腫れていて
いまだに涙が溢れている
🇬🇧「私が…もっと…もっと行動を早く起こしていればこんなことにならなかったのに…
どうして…どうして」
自責の念に苦しむイギリス。それに対して
アメリカはーー
パチンッッッッ!
🇬🇧「痛っ…え?」
🇺🇸「親父のバカ野郎!」
激しい怒号と頬をはたく音が響く
🇺🇸「いつまでも嘆いてる場合じゃないだろ!
俺達は進まなきゃいけないんだよ!荒廃した街を建て直すために!3度目を起こさないために!…そして、散って行ったアイツらの為に」
そう言ってアメリカがポケットから取り出したのは1つの封筒であった
これはパラオという小さな子供がイギリスに渡してくれとアメリカに頼んだものだった
イギリスが封筒の中身を見る
入っていたのは一枚の手紙だった
「まずは貴方達をこんな目に遭わせてしまい、
申し訳ない。私の野望の為に沢山の人を犠牲にしてしまった。到底赦されることではない
だから私は私が犯した罪を自分で裁くことにした。これが最善策かどうかは後の人々が決めることだ
さて、貴方には生きてほしい。私が死んで、
立ち直れなくなるほどの苦しみを味わうかもしれないが、どうかこちらに来ることだけはやめて欲しい
生きて、後の人々に伝えてやって欲しい
もう2度と、繰り返さないために。
私は地獄の底で見守っているから、そぐわないことはしてほしくない
返す返す、自分勝手な文論で申し訳ない
パラオやせがれは貴方に任せる
そしてこれと言ってはだが、これを私と思って生きて欲しい
最後に、貴方を誰よりも愛してる」
封筒の中にあったのは手紙だけではない
日帝と誓い合った神社で買った、お守りであった
🇬🇧「ふふ…日帝さん…貴方のせいで… うっ…ううっ…日帝さん…」
手紙の内容を読み、改めて泣き崩れ、慟哭する
アメリカは父親の震える体をそっと支え、彼が泣き止むまで、ずっと支え続けた
それから数十年の月日が経った
その街のある菓子屋は今日もたくさんの人々で賑わっていた
「皆さーん!最後尾はこちらでーす!」
その青年は今日も菓子屋を宣伝し、人々を並ばす。彼にとって、ケーキを買った時の人々の笑顔を見る。それが生き甲斐だった
「はいこれ!いつも頑張ってる差し入れ!」
いつもここに訪れてくれる常連客が青年に渡したのはマカロンの詰め合わせだった
「いえいえ!こんな沢山…」
「いいの!君私達と同学年なのにこんな人々を呼び込めるなんて羨ましいよ!
親譲りなのかな?」
「あ…そ、そうなのかもしれませんね」
親の名を聞き、少し戸惑う青年
「じゃ!またね!」
常連客は上品そうに手を振って歩き去って行った
「(…やっぱあの人、綺麗だな…///)」
去り行くその姿にじっと見つめる青年
「Ciao!Germania!あの人に見惚れちゃった?」
「なっ…いつのまにいたのかよ!///」
「あの子はカンヒュ学園の中で高嶺の花だからね…よかったらioが紹介してあげよっか?」
「うるさい!余計なお世話だ色女が!」
ついカッとなってしまい汚い言葉を吐いてしまい、我に帰る青年
「あ…すまん」
「いつものGermaniaでなにより!」
ボルサリーノを被った陽気な女性はケーキを沢山買って帰って行った
数時間後、その菓子屋は閉店時間を迎えた
「よしよし、今日も大繁盛!お疲れさん!