テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
小町通りという、食べ物屋などが多い商店街を通って帰る。
どれも美味しそうだけれど、中学生にはちょっと高い。
「見ているとお腹が空く通りなのだ」
クレープや和菓子のような甘いものだけではない。
薩摩揚げとかたこ焼きとか、色々ある。
中にはカップに入った海鮮丼とか、椎茸を串に刺して揚げたものも。
どれもテイクアウトできて美味しそうなのだけれど、中学生の小遣いでは厳しい。
特に今日は電車代とか昼食代とかお賽銭とかおみくじとか、色々使ったし。
寒いけれど、結構買い食いしている人はいる。
ただ値段を見ると、安くて300円くらい、高いと700円を超える模様。
中学生が気軽に買い食いできる値段ではない。
下手に使い過ぎると、夕食などを抜く羽目になる。
キーホルダーとか手ぬぐいとかも、いいなと思うものはあるけれど手が出ない。
100円ショップで似たようなのを売っているな、なんて思ってしまうし。
結局色々見たけれど、買わないうちに駅まで到着してしまった。
すぐ来た電車に乗る。
「さて、明日、明後日は七草摘みだな」
先輩がそう言うと、亜里砂さんが、はっと何かを思い出したように言う。
「出来れば明後日だけでお願いしたいのだ」
「何か用事があるのか?」
彩香さんが暗い表情で頷く。
「宿題に手をつけていない事を思い出したのだ」
ん、宿題?
「冬休みの宿題ってあったっけ」
彩香さんが僕の方を見る。
「憶えがないな」
何もなかったような気がする。
「B組にはあるのだ。プリントにして20枚ちょっとなのだ。出来れば面倒を見て貰えると助かるのだ」
そう言えば、夏休みもB組は宿題が多かったな。
でも、そんなにあるのか。
「それって、まだ1枚もやっていないの?」
「すっかり忘れていたのだ」
おいおい。
「こりゃ、明日で終わるかな」
「何としてでも終わらせるのだ」
うん、これは仕方ないな。
「明日は図書館だね」
彩香さんの言葉に、僕と亜里砂さんは頷く。
「もし明日で終わらなかったら、七日には私が採った七草を御馳走するよ」
「何とかして終わらせるのだ」
「なら今日は真っ直ぐ帰って、出来るものから始めておいた方がいいな」
確かにそうだな、と僕も思う。
自分で解けるものは、今日のうちに出来るだけやっておけば、明日は楽だろう。
「仕方ないから、今夜ある程度進めておくのだ」
亜里砂さんは、しぶしぶという感じだ。
「今日、3箇所の神様にも言われただろ。努力が必要だってさ」
「うう、こういう神託は当たらなくてもいいのだ」
まあ、冬休みの宿題を今までやっていなかったのだから、仕方ないな。
そういえば、B組と言えば美洋さんはどうしているだろう。
「美洋も今頃、未亜さんに特訓受けてたりして」
彩香さんも同じ事を考えていたようだ。
「あっちは未亜に任せておけば大丈夫だろ。厳しいからな、未亜は」
「確かに」
先輩の言う通りだな。
亜里砂さんを含めて3人で苦笑した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
新月 つむり🐌
393