「まさかクレイトンの東側の店に連れてこられるとは思わなかったわ。」
「俺も君も堅苦しいのは正直好きじゃないだろ?おそらく俺たちは国境に近い地域で育ったからだろう。国境地域には独立志向で伝統主義的な王都のやり方に反発する癖があるだろ?アルヴィアンの自由放任主義やパンタナールの大規模な歓楽街は象徴的な存在さ。さて飲み物は何にしようか?」
「スパークリングワインはあるかしら?」
「もちろん。俺は紅茶にする。」
「冷たい紅茶。レモンだけ、砂糖はなし?」
「俺のお気に入りをよく覚えているね。さすが君だ、レイチェル。時間は経ったけど俺の好みはあんまり変わってないらしい。でも君は大人になった。君はあのときはコーヒーだったか。そのとき君は、山のような砂糖とミルクを入れて飲んでいたような気がする。」
俺はそう言って微笑む。彼女もそれを見て微笑み返す。まるで昔に戻ってきたみたいに感じる。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!