「はぁ・・・」
通る度に、眩しすぎる赤や緑の色が、僕を飽々とさせる。
今日は、1年に1回のクリスマス。
その辺のカップル達は、仲良さそうに手を繋いで、腕を組んで。
見せつけるかの様に、ツリーの前でキスをする者達も。
町中を流れるクリスマスソングも、
こいつらの為だけにあるんじゃないかと思ってしまう。
なんかこの場にいるのが辛くて、苦しくて。
フードをきつく被って、家路まで急いで帰った。
プルルルルル プルルルルル
家に入った瞬間、ポケットから電話の通知が鳴る。
そこには、こう表示されていた。
「もしもし・・・?」
出るのが怖くて、15コール目で出てしまった。
自然にしたいのに、言葉は震えてしまう。
「あ、もしもし!!」
明るくて、無邪気なその声。
聞く度に、僕の胸はどんどん苦しくなっていく。
「何の用?」
わかってる。君が何で僕にかけてきてくれたか。
わかってるのに、、
「あ、えーっと・・・」
彼女の声が曇る。
一瞬で、落ち込んだのがわかった。
10秒くらい躊躇ってから、彼女は、不安そうに喋る。
「今日、クリスマスだったから・・・」
また胸が苦しくなる。
君の声を聞いて、僕はどれだけ辛い人生を歩んできたか。
確かに君には助けてもらったし、君にエールも沢山もらった。
でも君を見てる度に思ってたんだ。
『何で僕って、アイドルになったんだろ』
それから辛くなったんだ。
君を見るのも。
君と話すのも。
君と手を繋ぐのも。
君と、付き合うことも ——
でも未だに消せなかったこの文字。
“ 愛しの君 “
僕は、小さなため息を吐いて答える。
「だから何?」
別に冷たくしたいわけじゃない。
なのに、言葉が言うことを聞かないんだ。
「・・・告白してくれたじゃん、” 愛してる “ って」
今にも泣きそうな君の声が、最後まで力を振り絞って言う。
3年前のクリスマスの日。
僕は、告白した。
「愛してる」って。
色とりどりに輝いたツリーの前で。
でもやっぱり、ダメだった。
成功はしたものの、僕に彼女は、いらなかった。
僕の一方的な思いで、彼女の心を傷つけて、傷つけて。
それでも彼女は泣かずに、諦めなかった。
「・・・もうやめろ。一生言うな」
何でなの?
俺は何で・・・
こうなってしまったんだよ。
「だって、私は愛してるんだもん・・・!
君が必要だから、何て言われたっても絶対に諦めない!」
必死に叫ぶ声が、耳に入る。
ベッドに横たわり、何も無い真っ白な天井を見つめていた。
「 “ 愛してる “ 」
泣きじゃくる声、鼻を啜る音。
そして最後に残した、彼女の言葉。
だから、僕は嫌いだ。
“ 愛してる “ って言葉も、色とりどりのツリーも、
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えっと、、え?…………… え?(?)
誰だよ!!