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さてさて、
次の日図書室に行くとバカ男が待ち構えていたのだ。
渋々近づくとバカ男はこっちを見て言った。
「やるぞ!」
面倒くせえと顔に出しながら席につき教えてやった。
バカ男は毎度間違えた。
ヨーロッパ連合の名前を問うと、
「E-NXT」とどこぞの配信アプリの名を言い、
天下統一した男を、
「石破茂」と言うのだ。
石破茂は戦国大名かなんかかとバカ男につい聞くと、
「だって国会で言い争ってんじゃん」と何か正論臭いことを言った。
休み時間が終わり教室に帰るとバカ男は俺の背中に突撃し、
「また教えてな!」と、言うではないか、
そんなのごめんだ。
とは言えぬので「いや、ちょっと…」と曖昧に答えた。
すると、意外なことにすんなり分かったようだ。
意外とバカではないのかもしれないと思った。
だが、それも束の間、バカ男は即座に
「じゃあ明後日な!」
と言った。
それも嫌だ。
テスト当日、
最初は国語だ。
なにぶん、国語は自信大ありだ。
あのバカ男、社会しか教えていないが大丈夫であろうか、
そう人の心配をしながらテストを受けた。
今回のテストは優しめである。
次は数学だ。
これは少し苦手だが平均は必ず取れるはずだ。
自分は意外と自信がある。
あれだけバカな男と一週間付き合ってやったのだ。
自信くらいつく、
あれ?むず、あ?
比例なぞわかるわけない。
ましてや反比例のグラフなどもってのほかだ。
こんなグラフ大人になって書くのか。
否、書かん。
その他も順調に進み、ついに最後の社会になった。
人に教えながら自分も一応少し勉強した甲斐は果たしてあるのか。
興味深いところである。
あ…
範囲、ミスってら…
「ここ出んの!?」と、言ったバカ男の顔が浮かんできた。
あのバカ男、確かに聞いてるわけないね。
少々罪悪感が出たが自分も被害者だと心に叫び、
テストは全く出来なかった。