テラーノベル
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「死んだら楽になれるとか、そんなの間違ってる」
魔理沙は飛び降りようとした私の腕をがっしり掴む。
飛んでいきそうになった風船を掴むように、もう二度と飛んでいかないように。
「生き抜いた先にこそ天国があるんだよ。知ってる?戦死した英雄が辿り着く場所」
私は小さく首を振る。
正直、もう疲れてしまったので声を出す力も残っていなかった。
「ヴァルハラっていうんだ…私と一緒にそこへ行こう。
この残酷な世界を生き抜いた者は、みんな戦死した英雄だよ。」
「ばかな、はなしだな」
私が最後に残った空気を全て吐き出すように、彼女の言葉を否定する。
それにも関わらず、彼女は私に笑いかける。
「人生という戦場を生き抜いた者は、誰だって戦死者で英雄でしょ?」
馬鹿だ…本当に、馬鹿だ。
だけど…私の腕を掴む魔理沙の手を、がしっと握り返す
「お前が馬鹿でよかった」
FPSgamer201と、この世界を生きるすべての人に
ありったけの愛を。
コメント
2件
苦労した分だけその後の人生は楽に、幸せなものになる。 だが、その当たり前が平等に与えられるわけではない。 どれだけ苦労しても幸せになれない人がいる。 神は人間を全て同じようには創りませんでした。