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「まず、こちらが翡翠先生のご案内をさせて頂きます。生徒会会長「兎白」でございます」兎白「兎白と申します。よろしくお願いします」
翡翠「あたしはジェイド……日本名は翡翠だ。よろしくな。兎白」
科学学会当日。
西洋から来た科学の先生「翡翠」を案内することになった兎白。
兎白「(とてもじゃないが見た目が幼さすぎる……本当に先生なのか……?)」
翡翠「……あまりあたしを舐めない方が良いぞ?」
兎白「え!?心が読めるんですか?」
翡翠「いや、初めて会った奴には同じことを言っているだけだ。」
兎白「な、なるほど……?」
翡翠「それにあたしは本当に強い」
兎白「いや、別に弱いとは想ってませんが……」
翡翠「聴いて驚け!あたしはこんな大きな鎧を動かせるのだ!」
そう言うと、翡翠は持ってきたスーツケースを開けて、鎧……のような薄い着ぐるみを引っ張り出し、着用した。
兎白「…………?」
翡翠「どうだ。こんなに大きくて重たい鎧を着用できるのだ!」
兎白「でもこれぺらぺらだから重くないんじゃないですか?」
翡翠「そんなことない!どうしてそう想った?」
兎白「うーんこれぞ第六感と言うやつかもしれませんね……」
翡翠「日本人の第六感恐れ入った」
現在、ツッコミ不在中である。
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翡翠「なるほどな。このような造りになっているのか。さすが日本この鎧の重さに耐えられるのはすごい」
兎白「これが歴代の理事長の写真です。」
翡翠「うちの家にも同じようなものがあるぞ」
兎白「そうなんですか?」
翡翠「うちの家は大学で実験を行って研究する者が多いのだ。しかし、あたしは大学に入れて貰えなかった……容姿のせいで……」
兎白「容姿の……せい……」
《お前はここに来んな!》《お前気持ち悪い》《お前なんて死ねば良い》《さっさと家に帰れ》
兎白「…………」
???「自分自身を構成する一部を否定されると辛いですよね」
兎白・翡翠「?」
話しかけたのは「雨花」だった。
雨花「自分の容姿ってどうすることも出来ないし、それに槍を入れられたらヒビが入って、すごく悔しくて、どうしようもないもどかしい気持ちになります。でも、それでもあなたたちは、今こうやって足掻いてる。自分の持った、手に入れた力で必死に……懸命に……闘ってる。だから今ここにいるんでしょう?頑張った結果今ここにあなたたちはいるんです。今の場所に満足してなくても、「場所」というところに居れることがすごいんです。あなたたちはかっこいいですよ!」
兎白「雨花……」
翡翠「…………ふん。そんな言葉にあたしは靡かないからな」
雨花「そうですか……すみません……」
翡翠「でも……」
「「ありがとう」」
雨花「いえいえ!あはっ!」
兎白「……そろそろ学会の発表のお時間ですね。発表が全て終わり次第、お迎えに行くのでどうぞ楽しんで下さい」
翡翠「分かった。感謝する」
こうして、翡翠は学会に行った。
雨花「じゃあわたしはお菓子教室を……」
兎白「雨花」
雨花「ん?」
兎白「俺からも……ありがとう」
雨花「!、いえいえ」
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翡翠「これが……」
「「お菓子教室か」」
雨花「そうです!……まぁ即興で作ったんだけど……」
橙「仕方ないですよ。たったの五人で作ったんですからこれでも大分作るの苦労したじゃないですか」
桃時「大きいテント借りるのにめちゃくちゃ苦労したのよ?」
瑠璃人「ごっさ疲れたわ」
兎白「おいお前ら。先生がいるんだから静かにしろ」
翡翠「今までの文句全部聴こえてるぞ」
雨花「えぇ……こほん。これから作るのはクレープです。お菓子作りと科学はとても似てるんです。地道な作業や混ぜ方にも決まり事があります。」
翡翠「なるほどな。確かに科学と似ている節がある。クレープとやらをあたしが作ってやろう」
橙「では、まずこの作り方をよく読んで下さい」
翡翠「分かった。えぇまずは……」
桃時「『ボウルに薄力粉をふるい入れて、塩少々、砂糖大さじ一と二分の一、溶き卵一個、牛乳三分の一を加えて泡立て器で混ぜる。残りの牛乳を少しずつ加えて……』」
翡翠「待て、卵一個じゃ足りない。もっと入れた方が良い」
橙「え?でもそれだと釣り合いが合わないんじゃ?」
翡翠「塩は少々とはどれくらいだ?一瓶くらいか?」
瑠璃人「いや!!そんなわけないって!」
桃時「えぇ次は……『溶かしバターを加え混ぜて、ラップをして三十分置く』」
翡翠「溶かしバター?いずれ焼くのだろ?なら、このまま入れて大丈夫だ」
橙「ダメですよ!この後冷蔵庫に入れるんですよ?!」
翡翠「しかし、その方が手間がなくなるじゃないか」
桃時「その手間があるからお菓子作りは面白いのよ!」
その後も全くレシピ通りにしない翡翠を止めつつ、何とかクレープを完成させた雨花たち。
翡翠「うむ。美味しいじゃないか。しかし、あたしの言う通りにした方がもっと美味しかったはずだ。」
橙・桃時・瑠璃人「…………」
兎白「うん、美味い」
雨花「面白い先生の知り合いまた増えた〜!やったぁ!」
桃時「あぁはいはい」
翡翠「また来てやっても良いぞ」
橙「(言ってください兎白さん!!)」
桃時「(残ってんのは馬鹿常闇女とあんたしかいないのよ……!)」
瑠璃人「(兎白さん頼んます!)」
兎白に熱い視線を送る橙、桃時、瑠璃人。
兎白「…………」
橙「言ってください!!」
桃時「二度と来んなって!」
瑠璃人「一昨日いきやがれって!!」
雨花「ねぇ三人とも」
橙・桃時・瑠璃人「何?!」
雨花「本音出てる」
橙・桃時・瑠璃人「あ」
翡翠「面白い奴らだな」
兎白「……すまん。俺がもっと早く言えていれば……」
雨花「あとさ。もう一個言って良い?」
橙「……何です?」
雨花「わざわざテント借りて教室作らなくても家庭科室借りてそこを教室っぽくした方が手間取らなかったんじゃない?」
橙・桃時・兎白・瑠璃人「あ」
翡翠「こいつら阿呆だな」
瑠璃人「確かにその方が……「教室」っていう催し名だったからそれを一から作らなくちゃいけないのかって想って……」
桃時「めっちゃくちゃ頭悪いわね。アタシたち」
翡翠「だが、あたしはとても面白かった。お前らありがとうな」
雨花「あはは!みんなの頑張った成果だよ!」
橙「ふふっそうですね。やっぱりまた来てください」
兎白「はい。ぜひ」
瑠璃人「あんたのことオレも面白いって想いましたし……ひひっ」
桃時「まぁ来たいなら来ても良いんじゃない?」
翡翠「じゃあまた必ず来よう」
こうして、無事に西洋の科学の先生「翡翠」へ催しを行うことができたのだった。