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ー私の周りには沢山の『血』が流れている。
それは全て,私が倒した『吸血鬼』達の血だー
私は十六夜咲夜。『吸血鬼ハンター』だ。
私が着ている真っ黒なコートには倒した吸血鬼達の汚い『真っ赤な血』が付いている。
十六夜咲夜 「…今日のノルマは達成ね。」
吸血鬼達を抹消することにはもう慣れた。
それが私のー、私に与えられた『任務』なのだから。
十六夜咲夜(…もう居ないわよね…?)
その瞬間,私はふと背後に『気配』を感じた。
十六夜咲夜(気の所為…ね。)
そう思い私は『血だらけのナイフ』を鞘に戻そうとした。その時だったー。
十六夜咲夜「…っ…?!」
背後から、『攻撃』されたのだ。
????「へぇ〜…この攻撃に耐えられるなんてねぇ〜…?それに貴方、『人間』よね。こんな時間に,こんなに強い人間は珍しいわね。」
私は朦朧とする意識の中、相手の姿を確認した。
見た目は『幼い子供』で、『白色のナイトキャップ』を被ったいた。
今まで幾多もの吸血鬼を倒してきていた。
皆普通に倒せていた。殺せていた。
それなのに,こんなに幼い子供なんかに倒されている。自分がすごく情けなく感じていた。
十六夜咲夜(一生の…不覚…ね)
ふとナイフが見えた。さっきの攻撃で使用し、飛ばされたナイフだ。
十六夜咲夜(これで攻撃さえ出来れば…!『時間を止めれば』余裕よね…?止めれさえすればこっちのものよ…!)
????「時間を止めるなんて…随分『卑怯な真似』をするのねぇ??」
十六夜咲夜「…?!(どうして…?!)」
私が咄嗟の質問に固まって居た。その時だったー
ポッ…ポッ…ザァアアアアー…
雨が降ってきたのだ。
????「ぎゃああ…!!」
私は吸血鬼の様子を見て思い出した。
吸血鬼の『最大の弱点』を。
『十字架、陽の光、そしてー』
十六夜咲夜「水も苦手なのよね。」
案の定その吸血鬼は蹲っており、何かをぶつぶつと呟いていた。
???? 「ぱちぇぇ〜…」
十六夜咲夜 (パチェ?友人か何かの名前かしら?それとも家族?)
???? 「フリャ…ン…。」
十六夜咲夜(フリャン?不思議な名前の吸血鬼ね。)
ふと私は、その吸血鬼に声を掛けていた。
十六夜咲夜 「貴方の名前は??」
???? 『レミリア…シュカー…レッチョ…。』
レミリアと名乗った吸血鬼は呂律が回っていなかった。それ程まで此の雨に弱らせられていたのだ。
十六夜咲夜(雨の力は凄いわね。取り敢えずここじゃない別の場所で話を聞く必要がありそう…ね。)
私は吸血鬼の少女 『レミリア』を抱き上げ、『屋根のある場所』に運んでいた。
十六夜咲夜(ハンター、失格…ね。)
30分ほどした後、私は改めて少女に名前を尋ねた。これほど休ませたんだ。もう大丈夫だろう。
???? 『レミリア・スカーレッド』
十六夜咲夜 「?!?!?!」
私はその名前を聞いた途端、全身の血の気が抜けていき、身の毛がよだむのを感じた。
十六夜咲夜(まさか…この子が…この小さな少女が…可の有名な、『スカーレットデビル』だとは思わなかったのだから。
私は成る可く不安を悟られないようにレミリアと名乗る少女に聞いた。
十六夜咲夜 「『パチェとフラン』これは何??」
私は長い事吸血鬼ハンターとして活動して居たが、そのような名前は見たことも聞いたこともなかった。初耳だった。
レミリア・スカーレッド 「パチェは私の友人の名ー…『パチェリー・ノーレッジ。』『魔法使い』…。」
まだ少しだけレミリアはグッタリとしていた。雨って凄いのね。
十六夜咲夜 「『フラン』は??」
レミリア・スカーレッド 「フランは私の『妹』よ…」
妹、妹が居たのか。
私がそう考え、悶々としていた時
十六夜咲夜 「え……?」
レミリアに刺されたのだ。
十六夜咲夜 「…ぐっ…!」
痛い。異常に痛い。今までに感じたことのない痛みだった。
私が痛みに悶えている時、レミリアに話しかけられた。今すぐにでも意識が飛びそうだったが、私は話を聞いた。
レミリア・スカーレッド 「丁度人間の『メイドを雇いたかった。』のよ。」
人間のメイドを…吸血鬼である、レミリアが雇う…?頭の中が混乱していた私は聞いた。
十六夜咲夜 「どういう…事?」
するとレミリアは不敵な笑みを浮かべ、勝ち誇ったように慈悲の目を向け、私にこう言った。
レミリア・スカーレッド 「ねえ貴方?私の『従者』にならない??なるならその傷も、『治してあげる。』どう?悪い話ではないでしょ?貴方は傷を治してもらえて今まで通りに生活できる。私は従者を手に入れ楽ができる。ね?悪い話ではないでしょう?それに其の儘だと貴方、確実に『死ぬ』わよ?」
確かに私の背中からは絶え間なく血がダラダラと流れていた。
此の儘ではこの吸血鬼の言う通り、私は多量出血で死に至る。私は吸血鬼ハンターとしては腑に落ちないし、『此の様な奴等』飲み手は借りたくなかったが、背に腹を変える訳にはいかず,レミリアの要求を飲んだ。
其れに、私自身もこの吸血鬼に興味を持っていたのだから丁度良かった。
十六夜咲夜 「嗚呼、分かったわ。レミリア…いいえ、我が主、『レミリアお嬢様ー。』」
十六夜咲夜 「美〜鈴〜??また貴方って子は寝たりなんかして!!」
美鈴 「わわ!ごめんなさい〜!咲夜さん〜!」
レミリア 「咲夜〜!紅茶〜!!」
咲夜 「はーい!只今!」
あの日から幾多もの日が流れた。
結論から言えば私はメイドになって正解だった。お嬢様に仕える様になって私は毎日が楽しくて仕方がなかった。
メイドになって暫くして、パチュリー様や、妹様とも仲良くなれた。
小悪魔も、私の仕事を嫌味言いながらも手伝ってくれてるいい子だ。
毎日毎日、大変な事も有るけど、私は私自身の、この身体の『天寿を果たす其の時まで』
精一杯お嬢様達に支えようと思ったー