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セカキク短編集

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セカキク短編集

19 - 切腹するなら〝萌〟をくれ

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2024年09月24日

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今回の会議の題は〝若者の参政について〟。各々意見を出し、発案をまとめ、では実行してみましょう…………とはいかないのはご存知のこと。

「議事堂とかにみんなを入れて出られないようにして、政治に参加させるのはどうかな?」

「ロケットでみんなの気を引かせるんだぞ!!」

「パスタを撒けばみんな来

以後略。

「終わりだ終わり!!」

「……………」

「全くあるね………」

「いつまで待てば改善されるんだ……」

「君たちさ、そんなので解決すると思ってんの?」

ルートヴィッヒ、菊、アーサー、王耀、フランシスが思い思いに言った。そんな中のフランシスの一言がルートヴィッヒに取り上げられる。

「………では、それらを本当に実行できるか考えてから発言してくれ」

もちろん、それでも発言内容が一気に変わることはなかった。




一向にまとまらない会議の中、

「あ、じゃあ実際に実行してみる?」

とイヴァンが言う。

「いやいやいやいや、1番言っちゃいけないだろ」

アーサーは〝イヴァンが〟なんて到底言えなかったようだ(理由はお察しを)。

「確かにやってみようよ!」

「もういいや……そうしよ………」

フェシリアーノやフランシスを筆頭に同意しだした。

「んん……………分かった………

では、次の会議までに各自の案を試行し、結論とともに出してもらう………」

と、今日の会議は終了した。




「あの……ルートヴィッヒさん」

菊は帰路につこうとしていたルートヴィッヒに声を掛けた。

「どうした?菊」

「今回の題についての案がまだ出ておらず、困っておりまして………」

菊のその困り顔に相まってさりげない上目遣いが加えられたものに食らいながら、

「そうだな…………………」

と思案顔になる。

「………あまり良いアドバイスが思い付かず申し訳ないが…………国規模で考えず、自ら動くことを菊の直感的に思ったことや考えたことで試行すれば良いんじゃないか?

あいつらにはこんなアドバイスできんがな……」

「なるほど………ありがとうございます」

表情が明るくなった菊を見て、ルートヴィッヒは再び胸を貫かれたような感覚になった。




元々前回の会議からさほど間がなかったため、あっという間に日々が流れ、次の会議当日。

珍しく菊以外の面々が会議室に着くまでに揃い、両扉を開けた。

「「「「「「「え」」」」」」」

「…………え?」

いつもの全員の揃った声に、菊が驚いて振り向いた。

菊はアニメに出てくる女の子のような格好をし、スタンドに立てたスマホの前で踊っていたのだった。

「ふーん……菊くん、いい趣味してるね♡」

「ほら、すぐパンツ見えるぞ♡」

「え!?リ●エル!?リ●エルだよね!?!?」

「いつの間にこんなことを……我、嬉しいある…♡」

「Wow…………♡」

「えっちだねぇ〜菊♡」

「は、早く着替えてくれ…//露出が激しい………///」

この者たちは、この世界ではいつも菊にとって間の悪い時に、それ以外の者たちに都合の良い時に現れるのである。

「………………」

菊はダンスの途中のポーズのまま固まり、顔は絶句状態だ。

「本当に申し訳ございませんでした決して許される行為ではありませんが皆さんに謝罪をしますお見苦しいところを見せてしまいました一生の不覚一生の恥ですこれからは一切このようなことをしませんので目を瞑っていただけると幸いなのですがそのような─────」

つらつらつらつら………と謝罪の文を次から次へと発していく。もちろん〝皆さん〟の耳には入っていない。


菊は結局自分の中でまとめられず、当日になって思いついたのだとか。〝神聖な場所とは知っていたが外でする訳にもいかず………〟とのこと。

しかし周りは「そんな理由だと萌えない」という謎な理由で聞き入れてくれなかった。理不尽。

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