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え、私も菊の使用済みパンツほし((((((殴
昼下がりのこの日、菊が突然こんなことを言った。
「王耀さんへのプレゼントって何がいいと思いますか?」
一同は驚きが隠せない。
「は???俺を差し置いてなんで王耀なんだよ俺の方がいいだろ??な────」
「なんで王耀くんなの???」
アーサーの早口に覆いかぶさるように圧少々でイヴァンが問う。
「え、、………?なんでと言われましても………
……王耀さんもうすぐお誕生日じゃないですか……」
「あーー………」
「あぁ、あと1週間だな」
今思い出した、というようなフェシリアーノと、もちろん覚えていたルートヴィッヒ。
「完っっっっっ全に忘れてたわ〜」
「どうでもいいからね!」
前2人に対し、覚えていなかったのにも関わらずもう開き直っている様子のフランシスとアルフレッド。
「───んで」
「……?」
「………なんで…………なんで俺のは!?!?俺も誕生日もうすぐだよ ねぇ菊!?!?!?」
菊の肩を持ち、10月10日の王耀に嫉妬して前後に激しく揺らすメンヘラ10月14日男。
「あぁああぁあぁぁあぁ……」
菊は揺られすぎて酔いはじめている。
「選択肢ミスられた面倒な彼女みたいだわー」
「なにそれ〜?どういうこと〜?」
2人を見ていたフランシスの言葉に少し興味が湧いたのか、フェシリアーノが乗った。
「こっち(界隈)しか分からない話」
「…ヴェ………」
誤魔化されたことに気が付き、フェシリアーノは少し拗ねたようだ。
こちらはこちらでイヴァンが、
「………多分だけどさ、菊くんは隙をついてアーサーくんの件も僕たちに聞こうとしてるよね
嫌だけど」
と言う。
「だろうな………」
「え、そうなのかい?」
「でもアーサーが離れないから聞けない、みたいな」
「…………」
「しつこいやつだなー、相変わらずなんだぞー」
「はー…はー…はー…はー……」
「で?菊は俺にもくれるんだよな?プレゼント」
「………………はい」
少しそっぽを向いて菊が言った。なんとなく嫌な予感がして〝元々予定していた〟とは言い出せなかった。正解。
「へっへー、よっしゃーやったぜ!!!」
誰でも見て分かる程の嬉しさを表現しているアーサーを、呆れを越して誰も見ようとしなかった。
「………あの、話を戻しても良いでしょうか…?」
「あー、王耀のプレゼントのことだよな?」
「はい、何を渡せば良いのか分からなくて……」
やはり頼るべきはルートヴィッヒだ。菊は確信した。
「でも長い付き合いなんだよね〜?」
「確かにー、ウザいけどそれなら分かりそうだぞー?」
「ウザい………?」
何故………?とアルフレッドの言葉に疑問になる菊を他所に、話が続いていく。
「長い付き合いだからこそ、なんじゃない?」
菊はフランシスに同意した。
「そうなんです………
……今まで散々渡してきたのでもう何を渡せばいいのか…………」
「ヴェー、じゃあ渡さなければいいんじゃない?」
「それはダメです、、……今更曲げる訳には……」
「ふふ、変わらないね〜菊くん」
「もう菊の使用済みパンツでもあげ────」
「俺にくれ!!!!!」
「俺もほし〜い!!!!」
アーサーとフェシリアーノがすかさず物乞い。
「な、ななななな…………!?!?!?////
私のものを手に入れたところで何もありませんよ!?!?!?///」
「しまった……コイツら冗談通じないんだった……」
フランシスは猛反省した。欲しそうだが。
「あーあ、菊くん可哀想ー………僕も欲しいけど」
「俺も吸って被りたいんだぞー!!!」
「どういう思考になったらそうなるんだ………」
「じゃあルートヴィッヒくんはいらない?」
「………………………………………貰えるなら貰っておこう」
「ルートヴィッヒさん!?!?!?」
今日も平和で愉快で何よりだ。
結局、血涙で歯を食いしばるアーサーの見ているところで、気まずそうに王耀へイメージした男性用の浴衣をプレゼントした菊だった。