この作品はいかがでしたか?
19
この作品はいかがでしたか?
19
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あっ、ダメッ……」
「もう遅いぜ」
そういうと男たちはズボンを脱ぎ始めた。が、そのとき、ひょっこりと女の子が覗きこんだ。不思議なことに、あたりは真っ暗なのに、私ははっきりそれが女の子だとわかった。
「り、里桜ちゃん?」
その顔は里桜ちゃんに見えた、けど、なんだか違和感があった。
「なんだ?」
男たちもそちらを見た。そのとき、里桜ちゃんの首が、にゅっと伸びた。そして、里桜ちゃんの口が裂け、そこから舌が伸びてきた。
「ひっ!」
あまりの出来事に、私だけでなく男達まで驚いた。
「なんだこいつっ!?」
「化け物かよ!!」
男たちはひっくり返るように逃げ出した。私は呆然としていた。だって、こんなのありえない……。目の前に里桜ちゃんらしきものの顔が近づいてきたとき、私はそのまま気を失ってしまった。翌朝、私は廃病院で、全裸のまま目を覚ました。ただ、いつのまにか両手は自由になっていた。
「夢だったのかしら……?」
私は服を探したが、不良たちに持って行かれたのか、見当たらなかった。仕方なく、裸のまま車に乗って帰ることにした。幸いにも、誰にも見られなかったようだ。
「あー、怖かったなぁ……。でも、あんなリアルな夢ってあるかしら?」
私は昨夜のことが現実に起きたことだとは思えなかった。でも、そうすると、昨日の出来事はどこまでが現実で、どこまでが夢だったのだろうか。裸で病院にいて、服が見つからない以上、不良につかまったのは現実だろう。でも、そのとき両手を縛られたはずだ。それにホームレスたちはどうしたのだろう。もしかしたら、全部夢で、本当はまだ病院にいるとか?
「わからない……」
その後、里桜ちゃんが数日前から行方不明であることがニュースになった。里桜ちゃんはまだ見つかっていない。廃病院にいたのは里桜ちゃんだったのだろうか、それともまったく関係ない化物だったのだろうか。あの病院は心霊スポットとして有名になりすぎたため、今では人が入れないように閉鎖されてしまった。あの化物は、今でもあの病院にいるのだろうか……。(終り、もしくは「裏」に続く……)