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「鳥の呼吸 玖の型」
「鶴ま、」
無惨に目掛けて刀を振り下ろそうとした時、無惨の口角が不意に上がった。
他の柱も皆それに気づいたのか、驚いた表情をしている。
まさか!
「べべん!」
急に、足元に障子ができ、それが開く。
中には、無限に続きそうな広い空間があった。
「ヒュッ」
重力に負けて、私の体は勢いよくその空間へと落ちていく。
誰かが何かを叫んでる。
あ。
鬼舞辻も何か言ってる。
この声はそうだ。
絶対に。
「鬼舞辻……絶対に許さない」
静かに呼吸をし、軽々と木の床に着地した。
周りを見渡す。
「何これ……」
襖、障子、床、天井……
全てが無茶苦茶に折り重なっている。
城と言っても、もう何処が何だか分からない。
空間は永遠に続く。
「べん!」
今立っていた空間にまた障子ができ、更に下へと落とされる。
「この琵琶の音が空間の変わる合図ってこと?」
「トッ」
また床に手を突き、着地すると、周りにウジャウジャと鬼が居た。
「鳥の呼吸 壱の型 鴎狩り!」
その鬼を、壱の型で全て切り倒す。
「何なの……ここは」
「キョウ!」
勢いのいい羽音と共に、肩に一慶の鷹がとまった。
「峰!良かった…みんなはどこ?」
「ワカラナイ!」
「そっか」
「鬼の気配がする。とりあえず鬼を切ろう」
しばらく雑魚鬼たちを倒しながら長い廊下を走っていると。
「上弦……?」
近くから上弦の気配がした。
上弦がすぐそこに居る。
「バンッ!」
手探りで、右側の戸を思いっきり開けた。
気配が強くなる。
薄暗くてほんのりと香の香りがする。
灯籠に灯がつく。
間違いなくそこに居る。
「誰だ?」
鬼。
上弦。
男?
黒い袴のようなものを着ている。
黒髪。
真っ赤な眼。
その中の数字は、
「上弦の伍…!」
もう居る。
補充が早い、異常だ。
でも、壱とか参では無い。
いや、伍だからといって、舐めてはいけない。
あの宇髄さんが引退するきっかけになったのは、上弦の陸との戦いだ。
そんなことを考えていると、鬼が口を開いた。
「柱か。ずいぶんな小娘が来やがった」
第一声が嫌味とか最低だなコイツ。
でも鬼だから仕方ないか。
「そうですか。小娘で申し訳ありませんね」
顔をクッとあげて、少し離れたとこに立つ鬼の顔を見据える。
「お前。その顔どこかでみたことがある」
「私は貴方のようなクズにあった覚えなどないのだけれど。勘違いじゃないの?」
「いや、違う。確か…」
「鳥の呼吸 漆の型…」
「鳶翔!」
「ザッ」
斬撃で、不意打ちをかける。
「くっ」
しかし、腕であろうとも上弦を切るのは困難。
刃が少し食い込んだところで、止められてしまった。
その時、
「そうだ……!」
「よく似ている」
受け身の姿勢をとりながら鬼に問う。
「何が?」
「お前が母親にだ」
母親?
どうして。
なんでこんな奴が。
母さんのこと知ってるの。
気色悪い。
「気色悪い」
「その言い方はないだろう。お前の母親は俺に負けた。それだけの話だ」
「負けた?どういうこと…」
「何も知らないのだな。お前の母親は鬼殺隊士だった」
「鬼殺隊士?母さんは…、」
だめだ。
動揺が隠せてない。
落ち着け。
落ち着け。
しかし、落ち着こうとしていた私に鬼は、驚くべき更なる事実を告げた。
「そしてお前の母親は俺が殺した」
空気が揺らいだ。
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今日は少なめ。
本編がんばるぞ!