テラーノベル
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しなもん ここあ たん .ᐟ
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再会と歪んだ思いと
注意 政治的意図なし
中国→愛称『紅星』
二十年ぶりに、あいつの姿を見た瞬間、喉の奥が凍りついた。
――紅星。中国。俺の心を二度と許さないはずの相手。俺に毒を盛った、唯一の存在。
灰色のユラシーアの朝靄の中、軍服姿の華奢な少年が立っていた。包帯に覆われた首と腕、死んだ魚のような瞳。あの日と、何一つ変わらない。いや、変わっていないことが余計に俺を苛立たせる。
「……よお、久しぶりだな」
声が掠れた。息が白く凍る。心臓が暴れる音が頭に響く。逃げるな、俺はロシアだ。震えるな、俺は氷の国の怪物だ。けれど指先が冷たく強張るのは、俺が弱いからだろうか。
中国は一瞥しただけで目を逸らした。ああ、その態度。心の中で舌打ちする。俺の存在なんか、煙のようにどうでもいいと思っているくせに。なのに、心の奥では分かっている。こいつは俺を嫌いながら、突き放せない。俺だけは知っている、その優しさを。
――どうしてお前は、そんな顔で立ってられるんだ。俺をあの地獄に落としたくせに。俺は何度も夢に見たんだぞ。あの日の痛みと、孤独と、裏切りの味を。
胸の奥がどろどろと溶けていく。氷が、嫉妬と執着に侵食される。笑ってしまいそうだ。俺はまだ、お前に縋っている。お前を待っている。お前に触れたいと、心が叫んでいる。
「……二十年。長かったな」
本当は抱きしめたい。氷のように冷たい腕で閉じ込めて、逃がさないと言いたい。でも唇が僅かに歪むだけだ。俺は、情けない怪物だ。
中国はふっと笑ったような気がした。けれどその瞳は、俺を見ていなかった。
――ああ、まただ。俺はきっと、またお前に溺れる。
コメント
1件
うわあ、重くて綺麗…!🖤 ロシアの「凍えるくせに溶けてしまいそうな」執着と嫉妬がすごく刺さりました。あの澄んだ空気みたいな文体なのに、心の奥はどろどろで。中国の一瞥で全部揺れる感じ、わかる気がする…。続き、絶対読みたいです。