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しなもん ここあ たん .ᐟ
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中国視点
二十年ぶりに、あいつの姿を見た瞬間、背筋がぞわりと粟立った。
灰色のユラシーアの路地、朝靄の中に、長身の青年が立っている。黒いタートルネックとファー付きのコート。ウシャンカの影から覗く瞳は、氷のように冷たい。いや、俺を見ているというより、貫かれているような錯覚すら覚える。
「……よう、久しぶりだな」
声が低く響いた瞬間、心臓が跳ねた。喉の奥に何か硬いものが詰まったみたいで、呼吸がうまくできない。二十年前、俺はこいつに致死量の毒を盛った。あの時は確かに、命を断ったはずだ――けれど、目の前のロシアは、当たり前のように立っている。
……そういえば、コイツ、不老不死だったな。
やばい。どうしよう。思わず視線を逸らす。視界の端で、吐息が白く凍っていくのが見えた。寒い。いや、違う、心臓がずっと冷えてる。俺の重力じゃどうにもならない、嫌な重さが胸に沈んでいく。
「……二十年。長かったな」
こいつの声は落ち着いてるのに、心の奥底で何かがずっと蠢いてるのがわかる。氷の下の濁流みたいに、不気味に静かだ。
俺は、ほんの一瞬だけそっちを見た。瞳が合った。……やばい。怖い。心の奥で何かがぎゅうっと縮まる。吐き気がする。あの時の記憶が蘇る。冷たい指先、絶望、そして苦しみながら沈んでいく影。
――どうしよう。俺、逃げたい。でも逃げない。俺はマフィアの幹部で、可哀想で、巻き込まれ体質で、でも臆病者じゃないはずだ。
笑うしかなかった。口角がひきつる。視線は合わせない。ああ、俺、これからまたこいつに巻き込まれるんだろうなって、わかってるのに。
心臓が、やけにうるさい。
コメント
1件
うわ、これめっちゃ怖いわ……。中国視点の心理描写が細かくて、心臓がぎゅっとなる感じが伝わってきた。毒盛った相手が不老不死で平然と立ってるってだけで背筋が凍るし、「逃げたいけど逃げない」って葛藤もリアル。ラストの「心臓がやけにうるさい」で余韻がぶっ刺さる。続きまじで気になる🔥