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1 - 「お母さん学校嫌や!!!」母「行け」「(*꒦ິ³꒦ີ)」

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2024年01月18日

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春休みが終わり初登校日を迎える。去年は摩訶不思議な事に巻き込まれたが、中学校ではそんな事にならない様願う。

桜道を歩いていると少し肌寒い風が首を撫でる。中学では制服を着るのでお気に入りのパーカーは着れなかった。





学校は徒歩で10分程の近場ですぐ近くに自分が通っていた小学校が見える、当分はあの出来事を忘れられないだろう。

中学校が見えてくると先輩や、同じ1年生が友達と話しているのが分かる。先輩とは関わりが無いが一年生は知り合いだ、だがきっと俺が問題児である鳥居希だということに気付く事は無いだろう。


そう、何故ならば俺は今日から



「おはよートントン!」

「?おはよ…って、誰?急に抱きつくん辞めてもろて…」


女の子だからである。




説明しよう、俺こと鳥居希は幼稚園の時何故か男子だと思われていたのだ。きっとクリーパーカーを常に着ているし声も女子にしては低い方だったせいだろう、そして俺は何故か、本当に何故か女子にモテた。そのせいでまだ幼い俺は完全に自分を男の子だと勘違いしてしまった。家族でさえたまに希くんと呼ぶので女子とは思わなかった。

そして自分が男子だと思いながら生き、小学四年生の頃…不意に自分の胸に違和感を覚えた。ここで自分が女であった事を知った、衝撃的過ぎてビビり散らかした。

だが、周りは完全に俺を男だと思っているので今更女だとは言えなかった。


結果中学校で女子に戻るという何とも変な事になったのだ。


因みにプールや体育の着替えは保健室でして、胸が想像以上に膨らんだ時からは見学になった。パーカーのおかげで胸が膨らんでいる事には誰も気付かなかった。

林間や修学旅行なんかも女教師と同じ部屋となった。

担任にはバレてなかった。アイツアホやろ。流石に猿やわ。



春休みが終わり女子として初の学校、波乱万丈な中学生を乗り切れるのかどうか……。



「あの、すんません誰……??」

「何言うてんねんゾムやけど」


「は?」



…まずは俺の親友達に説明をしなければならないようだ。面倒くさいので割愛させてもらう。


まだ若干の疑いの目を向けられつつ入学式が粛々と行われた。クラスは全員1-B。廊下を歩くだけでも凄く見られて恥ずかしい、人見知りなので見られるのは得意では無いのだ。


教室に入ると既に何人かのグループが出来ていた、のだが。一斉にコチラを見て走ってくる。近くにいた大先生を投げつけて颯爽と逃げ今トイレに篭っている。

まさかこんな形で困ることになるとは思っていなかった。

一瞬男子トイレに入りかけたのはご愛嬌。


「鳥居さーん!!!?」

「ゾムー!?どこだお前女子だったのかよー!!!」


当分は出られなさそうだ。







HRが始まる時間になりようやく周りが静かになった、俺はゆっくりとトイレのドアを開け1-Bに戻る。

本日二度目の教室、ドアを開け…た途端にコチラを見るクラスメイト。ビビるからやめて欲しい、ホラーは苦手なんだ。

黒板に書いてある席順の通りの席に座り、隣に居るコネシマを見る。全くこちらに興味が無さそうにボーッとしていて気付かれた様子は無い。さっきの騒動の際にコイツはまだ学校にいなかったことを知っている。じっと見ていると流石に気付かれた様で居心地悪そうにコチラを見た。


「…なんか用か?」


何と無愛想なのだろう、まさかコイツ俺たち以外にこんな態度とってたのか?もっと愛想良くしろや。


「お前めっちゃ愛想悪いやん」


「…アッハッハッ!!!アーッ……何や急に!!」


何やねんコイツ情緒不安定かよ


「コネシマ、コイツゾムやで」

「んふ、せやで。お前入学式早々遅刻はヤバいやろw」


「……えっ、???ゾム?この女が??」



どうやら2回目の説明会を開かなければならないようだ。

本気で面倒くさいので後はトントンに任せよう、寝るか。



「………ゾム?ゾム?」

「は?いや説明せえや!!!!」


「……トントンに一任する…寝るわおやすみ」

「はぇー……いやダルッッ」






いつの間にか学校説明が終わったらしい、先生が職員室に戻るや否や全員が俺を囲いだした。流石に足音がうるさすぎて目が覚めた、がもう一回寝てしまいたい気分である。

いい加減に自分で説明しろとトントンに言われたので仕方無く顔を上げたが目の前に女子っぽい男が居たので嫌になった。


「…………いや寝んなー!!?」

「…何やねん!!別にええやろ俺が女子でも!!」


「ええけど説明はしてくれ!!頼むから!」

「男子だと思ってたんだけど女子だったのかよ!!」

「………おーい?鳥居…さん?おーい」


「近いって、てか他校…何でお前も詰め寄んねん!!」

「そんなんノリに決まっとるやん!後俺シャオロンな」







全員に説明をしたのだがシャオロンとコネシマが大爆笑していて腹が立ったので取り敢えず1発殴っておいた。

説明してやったんやから笑うなや。


「……シャオロン自己紹介」


「は?え、じゃあ全員自己紹介な」




「ショッピって呼んでください」


「チーノと申します!皆と仲良くなれたら嬉しいな!」


「あだ名で呼んでな反応せんから。シャオロンでーす」


「グルッペンだ。戦争とは社会主義とは何かを語ってや」


「エーミールと申します、いきなり殴ってすいません」


「オスマンです、語り出す馬鹿を殴る役めぅ〜」


「ひとらんらん…長いから自由に呼んでね。よろしく」


「トントンでーす言うても全員知っとるやろ」


「今回の騒動の原因ですどうも」


「僕です」


「ロボロですぅ、筋トレが趣味やで」


「コネシマです!!!よろしくな!!!!」



何だこの個性的な面子。

毎年恒例の自己紹介を終え見事に耳が聞こえなくなったクラスメイトの全員は早速友達作りに励んでいる。

そして俺は完全に囲まれてしまった、ふざけんなよマジで。ゆっくりと朝を過ごすつもりだったというのにまさかここまでの騒動になるとは思いもしなかった。

女子には可愛いやら美人やら男子には胸でけぇやらなんなら言われて騒がしいったらない。フードを外した状態で人に顔を見られる事など滅多にない上にこんな大人数に見られるとら思っていなかった。完全に萎縮してしまった俺は机の下に潜り込むことを決定した。そしてついでに爆竹を投げておくのも忘れずに。


「えっ、えっ……は!?待って!!無理無理無理!」

「うわぁっ何!?バチバチ言うとるってショッピィ…」

「ゾムさんがやったんでしょ、…邪魔やチーノ」


爆竹を投げ注意を引く作戦はどうやら成功したらしい、皆が爆竹に気を取られている内に後ろのドアから逃げる。教室からロボロの声が聞こえて来たため焦って転んでしまった。

今まではサラシを巻いて過ごしていた為動きやすかったが、今日からはブラをつけての生活になる。その事をすっかり忘れていた俺は受身を取れず思いっきり倒れてしまった。

成長期の女子の皆さんならもうお気づきだろう。


「…ッいっったーーー!!!!(泣)」


「ゾム!?大丈夫か!?」


成長期の胸はとんでもなく痛いのだ。少なくとも俺はだが。

その場に蹲り悶絶してしまい生理的な涙まで出る始末、こんな事ならば女子だと明かさずに今まで通り過ごしていれば良かったと後悔した。



「…もう放っといて……怪我するから、」


俺はこの痛みを武器に友人に泣きながら頼んだ、俺は今日から女子なのだ。効くだろう、男子には。女子は痛みを知ってくれているので同情からかあまり囲まなくなった。


頼むから急に失神するのは辞めてくれ。男子共。


「…鳥居さん可愛いもんなぁ……」

「大丈夫かゾムー?」

「つか胸デカ…絶対痛かったじゃんね。大丈夫そ?」


成程、俺はどうやら可愛すぎるらしい。女子が下らない嫉妬を向けてくる様な人じゃなくて助かった。俺は下で倒れている男子に軽蔑的な視線を送りつつ何とか無事だと言うことを伝えた。

因みに大先生は倒れたふり(本人は否定)をしてスカートを覗こうとしたので股間を踏みつけてやった。ザマァみろ変態。



そしてシャオロンがコネシマと殺り合って窓を割ったり大先生がクラスの女子片っ端から口説いていったり等一悶着ありながら長すぎる一日が終わろうとしていた。授業は全て自己紹介や説明だけだったので俺は殆ど聞いていなかったが。

日直が帰りの挨拶をして、掃除をする。今日はまだ良いが明日からは日誌等があるらしい。


「にしてもホンマゾムが女やったん衝撃やわ」

「そこまでか?体育もプールも、休んどったやん」

「いやいやいや途中まで一緒に着替え………」


ロボロとトントンが顔を真っ赤にして湯気を立てている。何故急に、と疑問に思ったが想像してみると確かに恥ずかしい。俺の感性は男と同じ様なものなので、女子が同じ教室で着替えているなんて思うと大分クる。

当分は女子と着替える事になれないだろうな、と先の苦労を想像し溜息を吐いた。



ようやく担当の掃除を終え帰ろうとするとショッピくんが一緒に帰ろうと誘ってくれた。何故か他にも誘う人が居たので全員にOKを出していると11人という大人数になった。女子とも帰りてぇなと思い誘ったが周りのオーラが強すぎて無理と断られたので普通に傷ついた。


「…なぁさっきから通行人全員に避けられんねんけど」

「何でやろな。大先生の顔がキモイからちゃう?」

「あぁんっシャオちゃん酷いッ」

「うわキモイっすね」

「きも……きも…」


どうやらマンちゃんとグルッペンは相当な甘党らしく、目が無いという話をひとらんから聞いた。何故本人から言わないのかと聞くと言うまでもなく分かるだろうという謎の自信からだという。

ショッピくんは猫が好き、チーノはめんつゆ、エミさんはハゲ等個性豊かである事が分かった。俺たちも割と癖が強いと自負していたがどうやら世界は広い様だ。


俺を囲んで歩くのは辞めて欲しい、この上なく歩きづらい。先程放っておけと言った事を忘れたわけじゃないだろうな、幸い目の前がロボロである為視界は遮られる事は無いが背後にいるグルッペンの圧のせいで迷惑している。


「俺を囲んで歩くん辞めてくれん?邪魔やねんけど…」


「すいませんゾムさん、この馬鹿言うこと聞かなくて…」

エミさんグルッペンを殴りまくっとるけどお前も退けや


「エミさんもどいたらええやん」

その通りやけどお前も退け。靴踏んだるぞ


「ロボロの言う通りや!!どいたらええやろ!」

コネシマお前真横に居るんやぞ鼓膜潰す気かボケ


「シッマうるさい…もう先帰るからな!」

「えっ、あ、ちょゾム!?走ったら…」

「何!?ってあっ…」


……胸が邪魔であることをすっかり忘れていた。


「えっ、何だ…って痛ッ」


痛いが想定していた程の痛みじゃない事に安心したのもつかの間、誰かが俺の下敷きになってしまっている。


「わー!?えっ、すんません!!大丈夫ですか!?」

「いや、大丈夫だ。…君は?大丈夫やった?」


頭思いっきり打ったやろうにも関わらず俺の心配をしてくれるなんて何て出来た人や…下敷きになっていた人は紫のマフラーをしていて全体的に黒系統の服を着ている男の人だった、明らかに大人である。焦った俺はスカートだと言うことを忘れてペコペコとお辞儀してしまった。後ろの奴らが盛大に鼻血飛ばしている事に気付くのはもう少しあとである。


「すいませんすいません!俺は大丈夫です!!」

「君…零陀中学校?俺数学教えてるからよろしくね」


まさかの教師。しかも押し倒してしまった後なので成績に響かないかと冷や汗が出る。そして俺はどうやら有名人らしい。


「…お前去年まで男子だった奴か?」

「え?あっ、はい…そうです。その…俺帰ります、ね?」

「あぁ、うん。引き止めて悪かったな。」



後ろから走ってくる音がして振り向くと一緒に帰って無かった奴までが俺を心配してくれた。大丈夫だと説明するとさっきの男の人は誰だったのかも聞かれた。

その前にお前ら鼻から滅茶苦茶血出てんねんけど、俺よりも自分の事心配した方がええんちゃうか。


「あー、数学の先生やって…俺成績引かれんかな」

「流石にそんなんじゃ引かれへんやろ…多分」

「マンちゃんが言うんやったら大丈夫やな」

「俺責任重大すぎん?」


しばらく話していると少しだけもじもじしている奴が居ることに気付いた。特に気にしていなかったがずっと目の前でもじもじされるのも癪だったのでどうしたのか聞くことにした。


「その……、あの、その……えっと…そ、ッそれ…」


スカートを指差し目を逸らしている事から察しすぐに抑えたのだが既に全員に見られているだろう。みるみる顔が熱くなってきて恥ずかしさから顔を伏せ逃げてしまった。今度は走らず早歩きで。追いかけてくる人が居なかったし、きっと完全に見られてしまったのだ、明日から学校に行けそうもない。


今日は散々な目にあった。









続きはハート3000からです( ͡  ͜  ͡  )

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