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コメント
6件
あべちゃん💚振られちゃったんだね?
話の本筋と関係ないけど、こういう時にこうして一番に声あげそうなこーじにキュンなのよ
あらー鈍感しょぴが能力を発揮しちゃったのね笑
💚「ずっと好きでした。俺と付き合ってください」
収録後の楽屋で、帰ろうとしていた俺の目の前で跪き、阿部ちゃんが言った。
楽屋にはメンバーが全員残っていて、みんながピタッと話を止めて俺を見ている。いつもなら一番に帰宅するはずの照までもが、俺たちのことを優しく見守っていて、お父さんみたいに頷いていた。
💙「え?は?あ?……い、いつから?」
動揺した俺は、シャンプーとコンディショナーと、美容用品が入った紙袋を危うく床に落とすところだった。危ない。瓶が割れたら大惨事……って、そうじゃぁない!
え?
俺、今、告白されたの?
💚「正確に答えるべき?ちょっとちゃんと考えるから待って」
阿部ちゃんが手で俺を制して、真剣に時を遡り始めたので、俺は止めた。話の本質はそこじゃない。
💙「えっと…」
楽屋の熱が上がる。
佐久間なんて冷やかしたくって、うずうずしている。大きな目がこんな時ばかりキラキラと輝いているのが視界の隅に映った。
阿部ちゃんは言わばSnow Manの姫で、みんなの愛されキャラだ。
一方の俺は、最年長組には属してはいるものの、事あるごとに5歳児呼ばわりされている舐められキャラ。 頭の出来も違えば、周りへの態度だって模範的ではない。
何で俺なんだ?????
パニックに陥って、何も考えられない。
いつも阿部ちゃんの優しさに、包容力に、知識量に好意を抱いていた。……ことあるごとにお菓子くれるし。ただし、これまでそういう対象として見たことは一度もなかった。
💙「ご、ごめんなさい…」
俺が頭を下げた瞬間、康二が何オクターブも高い声で、帰ろうや、みんな!と号令を掛けた。
不自然に止まった時間は再び動き出し、何事もなかったかのように俺以外のみんなが一斉に無関係な話を始める。
感情移入過多気味な佐久間は、思わず浮かんだ涙を振り払うようにして、阿部ちゃんの肩に腕を回した。 後ろ髪を引かれる様子の阿部ちゃんを強引に飲みに誘っている。
え?
俺が悪いの???
姫だか王子だかのまっすぐな告白を断った俺こそ現状、針の筵だ。
数時間前の平穏な時間を返してほしい。
てか、みんな知ってたんだよな?だとしたら俺だけ蚊帳の外だったってこと?
まさかみんな俺が断るとは思わなかったんだろう。とにかく居心地が悪くて、俺は逃げるように楽屋を後にした。