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家へ戻る前に材料集めに森へ向かった。

ゲイルチュールで木々と伐採し、土も回収して、多くの収穫を得た。



木材×377 → 木材×523

土×27 → 土×147



「よし、こんなところだろう。そろそろ日も沈むし帰ろう」



皆に指示を出し、踵を返す。

さっき通ったルートへ戻り、あの砂丘を再び歩く。この夕刻ともなると、茜色に混じり、赤い土が広がっていた。ついでに、あのロートスライムもいた。



攻撃を仕掛けてこないタイプだから、安全だな。


楽々帰れるだろうと思っていた時だった――




「ラスティ様、避けてください!!」



ドンっと体を押され、俺は砂の地面に激突。……アルフレッドのヤツ、いきなり何を……って、なんだ? 急に空が真っ暗に? いや、違う、これは……!



「うわ!! デカいスライムだなぁ!」

「あれはボスモンスターの『バーニングスライム』です! なぜ、こんな場所に!」



しまった……アルフレッドには、先程、ストレルカから貰った木箱を持たせていたから、あれでは戦えない!!


俺が戦うしかない。

ゲイルチュールを構え、ブヨブヨした赤いスライムの前に立つ。だが、恐ろしい事に、イノシシの時とは事情が違った。



「兄上!! あのバーニングスライムは、ロートスライムを取り巻きにしておる。しかも、その数……三十三体!! 危険だ!!」



これが“取り巻き”か。

確かにあの巨大な赤スライムの周囲には、ロートスライムが三十ほどウヨウヨしていた。まるで王に従う家来だ。


つまり、あのボスモンスターの思うままって事か。厄介な。



「分かった、ハヴァマール。もし、よければ例の槍を貸してくれ!」

「聖槍・グングニルか! 無理だ!」


「なぜだ!?」


「あれは魔力が膨大故、回復に時間が掛かるのだ。一回の使用につき、次に使えるまで三日は掛かる」



なんだそりゃあああ~~~!!


あの高威力の槍なら、一撃で倒せると思ったが、そんな制約があったのかよ。ならば、ゲイルチュールで対抗するしかないわけか。


ええい、一か八かだ。



「くらえええええええッ!!!」



距離を縮め、ゲイルチュールを振り下ろそうとすると、周囲のロートスライムが妨害。雑魚ではあるものの、数が多い。


――って、しまった!!


あのバーニグスライムの攻撃が向かってきている。



「避けるのだ、兄上!! 敵の攻撃は火属性攻撃の『ファイヤーボール』だ。受ければ、大ダメージを被るぞ!」



魔法攻撃をするのかよ。

名前だけあるな。



しかし、もう火の球が接近してきていた。でけぇ……太陽ってレベルで巨大でまぶしい。こんなの死ぬ!! なんとか防御しようと姿勢を変えるが、間に合わねえ!!



「くそおおおおおおおおお……」


「ラスティ様ああああああ……!!」



がばっと俺を庇うようにアルフレッドが『カタナ』を持って間に入った。どうやら、木箱をハヴァマールに任せたようだな。ナイス判断!



「アルフレッド!!」

「ここはお任せください、ラスティ様!!」



おぉ、なんと頼もしい……ん!?


しかし、敵のファイアボールの火力が強すぎたのか『カタナ』が“ポキッ”と音を立てて折れてしまった。



「え……」


「あああああああああああああ、カタナが“武器破壊”で真っ二つにいいいいいいいいいい……!! うああああああああああああああ……!!」



あのアルフレッドがファイアーボールをその身で受けてしまっていた。……嘘だろ、あの最強の執事が……!!



「そんな、アルフレッド……」



遠くへ飛ばされ、砂に埋もれていて容体は分からない。チクショウ、このままでは……。地面に視線を落とすと、そこには折れたカタナではなく、アルフレッドの落としたもうひとつ武器『ライトニングレイピア』が落ちていた。


さっきの衝撃で手放したのか。


……これだ。



「スコル!! アルフレッドはきっと生きている、探し出してヒールを頼む!!」

「わ、分かりました! お任せください!」



俺の大切な執事を回復してやってくれ。その間に、あのバーニングスライムをぶっ倒す……!


元々はヨハネスの落とした武器だが、現在の所持者はアルフレッドだ。使わせてもらうぜ、アルフレッド。



「……兄上。そ、それは『ライトニングレイピア』か!」

「そうだ、ハヴァマール。今はこれしか方法がない」

「ゲイルチュールよりは攻撃力も優れ、魔力も十分だ。兄上、どうかあのバケモノを倒してくれ!!」



はじめて“つるはし”以外の武器を使うな。いや、黄金の槍と梯子もあったか。だが、あれは武器ではない。前者は魔力の塊で、後者は武器に転用しただけだ。今回は違う。正規の武器だ。宝剣だ。


ライトニングレイピア、俺に力を貸せ!!

無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

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